小4から続く豊橋中央バッテリー 惜敗も「一番感謝」 夏の甲子園
第107回全国高校野球選手権大会(日本高野連、朝日新聞社主催)は11日、1回戦で愛知代表の豊橋中央が登場。接戦の末、日大三に2―3で惜敗した。
降りしきる雨の中、1点を奪い合う緊迫の展開となった。
日大三の強力打線を迎え撃つのは、小学4年からバッテリーを組むエース、高橋大喜地と松井蓮太朗の3年生コンビ。最速145キロを誇る高橋は、一、二回を無失点で切り抜けた。スタンドでは、高橋ら先発メンバー5人が所属していた中学生の野球チーム「愛知豊橋ボーイズ」の副代表、河合孝芳さんが2人を見守った。「いつも通り落ち着いている。バッテリーの息はピッタリ。自分のペースを守りながら投げてほしい」とエールを送った。
しかし三回、2連続適時打を浴びるなどして2点を失う。松井は「入りは力んで、球が浮いていたところがあった」と高橋の調子を見極めながら冷静にリードした。
2点を追う六回。愛知大会で全7試合中6試合で二桁安打を記録していた打線が勢い付く。主将の砂田隆晴(3年)、松井の連続安打で好機を作ると、1死二、三塁で代打の小原圭大郎(3年)の打球が相手の失策を誘い同点に追いついた。
大歓声に包まれるスタンドで、野球部員の高橋大翔(ひろと)応援団長は、「相手が日大三といっても選手は初の甲子園なので条件は僕たちと同じ。これから持ち味の粘りの攻撃を見せてくれる」と声を弾ませた。
しかし、あと1本が出ない。七回、無死から近藤瑠生斗(3年)、成瀬太陽(3年)の連続安打などで満塁の好機を得たが、相手投手に抑えられた。八回裏には相手チームに本塁打を許して力尽きた。
豊橋市内の学校としては74年ぶりの甲子園出場。地元の期待も大きく、スタンドには多くの観客が詰めかけた。砂田の母智恵子さんは「あっという間の試合でした。お疲れさまと言いたい」。
強豪を相手に全力で接戦に持ち込んだ選手たち。初舞台をかたずをのんで見守ったスタンドから大きな拍手が送られた。【道下寛子、栗林創造】
◇豊橋中央・萩本将光監督
こちらの展開にどうしても持っていけず、悔しい。打線が相手の投球に差し込まれていた。(八回裏に本塁打で勝ち越されて)1球の怖さを知った試合だった。いい経験になった。
◇豊橋中央・砂田隆晴主将
ずっと相手のペースで、自分たちから攻めることができなかった。同点にした後、あと1点が取り切れず本当に悔しい。たくさん応援され、自分で決めてやろうという気持ちが先に出すぎた。
◇小4からバッテリー つかみ取った初舞台
◇豊橋中央・松井蓮太朗捕手(3年)
2死一、二塁とピンチの場面を背負った五回裏、「自分の中でいっぱいいっぱいになっていた」という。そんな自分を小学4年からバッテリーを組むエース、高橋大喜地が支えてくれた。「気持ちの入った投球をしてくれた」と言う。
高橋と「一緒に甲子園に行こう」と誓い合い、つかみ取った甲子園の初舞台。打席に入っては4打席のうち3打席で出塁する活躍を見せた。
萩本将光監督からは「おまえが打たないと」と言われていた。その期待に応える結果を出したが、試合後は「自分が勝つよりもチームが勝つことが一番だった」とおえつした。
攻守ともにチームの柱を担ってきた。
昨夏の愛知大会で右足首を骨折。チームは準々決勝で敗退した。「迷惑をかけてしまった」という思いが強く、課題だった勝負強さを培おうと、練習試合などで自分にプレッシャーをかけることを意識してきた。
豊橋中央に入学したのは「大喜地と一緒に野球がしたかった」からだ。「2人でずっとやってきて、一番感謝している」。
高橋も「蓮太朗にしか投げたことがないので、高校に行っても投げやすかった。ずっとコイツと野球がやりたかった。もうできないと思うと悲しい」と応じた。
試合後は悔し涙を流したが、「言葉では言い表せないぐらい楽しかった。(敗退は)この先の野球人生にもプラスになる」と満足もしている。唯一無二のバッテリーで挑んだ甲子園の経験を経て、次はプロ野球選手を目指す。【道下寛子、早川健人】
◇切符競った学校からも応援
アルプススタンドで、大迫力の演奏と応援を繰り広げたのは東邦のマーチングバンド部の約50人とバトントワリング部の23人。豊橋中央の吹奏楽部員は3人だけで、甲子園常連校の東邦に豊橋中央から参加を依頼した。3日間だけの練習で「T・O・H・O」の掛け声で始まる名物応援曲「戦闘開始」をアレンジ。初回攻撃から「C・H・U・O 豊橋中央」の大歓声を響かせた。東邦にとっては愛知大会決勝で競り負けた相手。マーチングバンド部部長の三冨彩名さん(3年)は「初めは少し複雑な気持ちもあったが、ご縁をいただいたので全力で応援します」と意気込んでいた。
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