豊昇龍が優勝「温かい応援に感謝」 大相撲ロンドン公演千秋楽

2025/10/20 06:09 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 15日から開かれていた大相撲のロンドン公演は19日、千秋楽を迎えた。大の里、豊昇龍の両横綱を含む幕内力士ら約40人による5日間の取組の結果、豊昇龍が全勝で優勝した。約5000席の客席は全日、「満員御礼」となった。豊昇龍は「お客さんがすごく温かく僕たちを応援してくれて、感謝の気持ちでいっぱい」と感激していた。

 大の里も「すごく楽しく、充実した5日間だった」と笑顔で振り返った。少子化などで力士の志願者が減少する中、「5日間、日本でもすごく取り上げられたと聞いた。相撲を始めれば、強くなれば、世界で相撲をとれるということを日本の子供たちにも見せられたと思うので、興味を持って相撲をやってくれたら」とも話した。

 ロンドン公演は1991年以来34年ぶりで、会場は前回と同じロイヤル・アルバート・ホールだった。観客は連日、取組の迫力と物珍しい伝統儀式にくぎ付けとなった。しこ名を叫んで応援する人も少なくなかった。体格差の大きい力士同士の対戦や、派手な決まり手には、とりわけ大きな拍手と歓声が響き渡った。

 この日の結びの一番は両横綱による全勝対決となり、豊昇龍が制して優勝を決めた。閉会式では大の里が「ロンドンは素晴らしい。ありがとう。また会いましょう」と英語であいさつし、会場を沸かせた。力士たちが退場する際はスタンディングオベーションが起きた。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は閉会後、「お客さんは良い取組には声が大きくなるなど、(相撲を)よく分かっている。(大声援には)じーんときた」と万感の思いを口にした。

 来年6月にはパリでも公演が開かれる。八角理事長は「海外に来て日本と違う文化を知ることは大切で、(力士たちにとって)人生の糧になる。(海外公演の誘いの)話はいっぱい来ているが、今後も力士に負担のない範囲でやっていきたい」と述べた。

 今回の公演では、横綱の綱締めや土俵入りなどの儀式も注目を集めた。生中継した英BBC放送は特集記事でこう伝えた。

 「試合が始まるまで45分間も儀式があるのに、観客を引きつけ続けられるスポーツはそう多くはない。だが、小さな土俵の上で繰り広げられる複雑な伝統は、まさにそれをやってのけた」【ロンドン福永方人】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>