自民と維新、きょう午後に政策合意へ 21日に「高市首相」選出

2025/10/20 06:30 

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 自民党と日本維新の会は20日午後、維新の与党入りを含めた政策協議で合意する見通しとなった。自民の高市早苗総裁と維新の吉村洋文代表(大阪府知事)が政権合意書へ署名する。合意すれば21日に予定される臨時国会の首相指名選挙で、維新は高市氏に投票し、高市氏が石破茂首相の後任に選出されることになる。

 維新は19日、大阪市内で常任役員会を開き、自民との政策協議について吉村氏と藤田文武共同代表に対応を一任することを決めた。役員会後、藤田氏は記者団に「閣僚ポストや連携のあり方についても一任を受けた」と語り、「慎重だったり、反対だったり、批判的な意見は一つもなかった」と強調した。

 連携のあり方について、自民は維新からも閣僚を出す「閣内協力」を要請し、複数の閣僚ポストを示しているが、維新側は当面は閣僚を出さず、政策協定を結び与党として政権に参加する「閣外協力」とする方向だ。

 役員会に出席した馬場伸幸前代表は記者団に「すぐに閣内に入って歩みを進めていく環境はまだできていない。(閣内協力は)徐々に一緒に仕事をして実績を作っていく中で出てくる話ではないか。スタートする時は閣外協力が良い」との見方を示した。

 維新から閣僚や副大臣・政務官は出さない一方、遠藤敬国対委員長を首相補佐官と兼務させる人事を検討している。少数与党で厳しい政権運営が想定される中、与野党にパイプがあり国会対策の経験が豊富な遠藤氏が、与党と首相官邸とのつなぎ役を担うとみられる。

 政策協議は16日から始まり、維新は合意の「絶対条件」として、災害時の首都中枢機能のバックアップを担う「副首都構想」と社会保険料引き下げを含む「社会保障改革」を挙げた。これに加え、交渉の途中から「国会議員の定数1割削減」も絶対条件に加えたが、自民はいずれも受け入れる方針だ。藤田氏は19日、自民との関係について「相当信頼関係は深まった。短期間ながらも相当な時間を費やした」と記者団に手応えを語った。【高良駿輔、安部志帆子、鈴木拓也】

毎日新聞

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