伊東市議選、市長派は当選20人中1人 それでも万歳の田久保氏

2025/10/20 00:59 

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 学歴詐称疑惑で不信任決議を受けた静岡県伊東市の田久保真紀市長が市議会を解散したことに伴う市議選(定数20)は19日投開票され、前職18人、新人2人が当選した。投票率は59・22%(前回48・88%)だった。当日有権者数は5万6471人。不信任決議案に賛成する意向の当選者は19人で、31日開催予定の臨時議会で再度の不信任議決と田久保市長の失職が不可避の情勢となっている。

 最大の争点は現市政の是非で、「田久保市長は退場を」などと訴える候補がいた。9月に市長の不信任を全会一致で議決した前職は全員が当選した。

 一方、毎日新聞など伊東市を取材する報道機関が協力して実施した候補者アンケートでただ一人不信任案に反対する立場を表明した新人の片桐基至氏の元には、告示日などに田久保市長が応援に入り「改革の灯を消さないことが大事」と訴えた。片桐氏は2度目の市議選挑戦で、今回9位で初当選した。当選確実の報を受けて事務所に駆けつけた田久保市長は「本当によかった。議会の中で新しい風を吹かせてもらえれば」とあいさつ。その後に報道陣の質問には答えることなく会場を後にした。

 候補者アンケートでは、立候補者30人のうち、26人が不信任に賛成、1人が反対、1人が未定、2人が未回答だった。当選者の内訳は賛成19人、反対1人となっている。

 臨時議会では市長の不信任決議案が再度提出されるとみられる。3分の2に当たる14人以上の議員が出席し、過半数の賛成で再度可決されれば市長は失職する。失職した場合、50日以内に市長選が行われる。市議選の予算は6300万円で、市長選は2500万円を超える予算が想定されている。

 田久保市長の学歴詐称疑惑を巡っては、市議会が9月1日、調査特別委員会(百条委)の報告書を受けて不信任を議決。市長は失職か市議会解散かの選択を迫られ「市議会に新しい風が必要だ」として解散を選んだ。【若井耕司】

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