「これが僕のW杯」 吉田麻也、サッカー人生を懸けた1週間

2026/05/31 07:30 

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 約3年半ぶりの日の丸は「1試合限定」。31日のアイスランド戦のために、サッカー日本代表に復帰したDF吉田麻也選手(37)=ロサンゼルス・ギャラクシー=は、国内合宿を含めたこの1週間に、競技人生を懸ける覚悟で臨んでいる。

 ◇勝つ確率、1ミリでも上げる

 「これが僕にとってのワールドカップ(W杯)だ」

 吉田選手がかみ締めるように語った。間もなく開幕する北中米W杯のピッチに立つことは、ない。それでも吉田選手は持ち前のリーダーシップを生かして、自らの役割を全うしようと務める。

 W杯の日本代表メンバー26人が発表された数日後、森保一監督から電話があった。

 「チームに麻也の経験を伝えてほしい」

 一部のW杯メンバーは直前まで所属チームの試合があり、代表への合流が遅れることなどから、アイスランド戦までの追加招集選手として白羽の矢が立った。

 真っ先に浮かんだ感情は「迷い」だった。

 「W杯の準備の邪魔になるんじゃないか」

 W杯とオリンピックにそれぞれ3大会ずつ出場。国際大会の経験豊富さは日本選手の中でも指折りだ。前回の22年W杯カタール大会では主将を務めた。だが世代交代が進む中、同大会を最後に代表から遠ざかっていた。

 自身も今年に入り、北中米大会出場を目指す意思表明をしていたが、そこに届かなかった立場でもある。

 一晩考えた末、結論を出した。

 「今までずっと日本を強くしたい思いでプレーしてきた。自分にできることはまだあるんじゃないか」

 23年夏に米プロリーグMLSのクラブに移籍し、W杯開催地の環境に精通する。今回のW杯で採用される遅延行為を防ぐ新ルールには、MLSで既に導入されているものもある。選手だけでなく、コーチ陣もその経験を大いに頼りにしていた。

 「W杯で勝つ可能性を1ミリでも1%でも上げられるように、自分の持っているものを一つでも多くチームに伝えていきたい」

 日本代表への献身は、練習姿勢にも表れていた。終始キレのある動きを見せて、全体練習後には黙々とダッシュを繰り返した。報道陣からコンディションの良さを指摘されると、「ここで良くないと来た意味がないでしょう」と笑った。

 代表合流初日には、こんな覚悟を口にしていた。

 「明日けがをして、引退してもいいという気持ちで来ている」

 限られた時間でも、吉田選手の日の丸を背負う心構えと姿勢が、W杯メンバーにもたらしたものは計り知れない。【高野裕士】

毎日新聞

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