中国国家統計局が１８日発表した２０２４年７～９月期の国内総生産（ＧＤＰ）は、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比４・６％増だった。成長率は４～６月期（４・７％）より減速し、新型コロナの影響が残った２３年１～３月期（４・５％）以来の低水準となった。不動産不況の長期化や消費の低迷で景気の停滞感が続いている。

　１～９月累計の成長率は４・８％で、中国政府が掲げる２４年通年の成長率目標「５％前後」を下回っている。政府は足元で矢継ぎ早に景気刺激策を打ち出しているが、通年で目標を達成できるかが今後の焦点となる。

　前期比では０・９％増で４～６月期（０・５％増）より加速した。生活実感に近いとされる名目ＧＤＰは前年同期比４・０％増だった。６四半期連続で名目が実質の成長率を下回っており、デフレ圧力が根強いことがうかがえる。

　ＧＤＰと同時に発表された経済指標によると、不動産開発投資は１～９月で前年同期比１０・１％減と１～６月（１０・１％減）と同水準。住宅や商業施設などの販売面積も１７・１％減と１～６月（１９・０％減）より下げ幅は縮小した。中国政府は今年５月、地方政府に住宅在庫の買い取りを認めたほか、住宅ローン金利の引き下げなど購入刺激策も打ち出しているが、市況は引き続き低調だ。

　インフラも含めた全体の投資動向を示す固定資産投資は１～９月が３・４％増となり、１～６月（３・９％増）から減速した。個人消費の動向を示す社会消費品小売総額も１～９月は３・３％増で、１～６月（３・７％増）から伸び率は縮まった。鉱工業生産は１～９月で５・８％増で、１～６月（６・０％増）よりやや減速した。

　１～９月の輸出（人民元ベース）は６・２％増だった。比較的堅調だが、１～６月（６・９％増）よりは縮小した。【松倉佑輔】