エネルギーの脱炭素化へ 経産省が1兆28億円計上 25年度予算案
政府が27日に閣議決定した2025年度予算案は、一般会計の歳出総額が過去最大の115兆5415億円になった。
経済産業省はGX(グリーントランスフォーメーション)推進やエネルギーの脱炭素化に向けて、24年度当初予算比約384億円増の1兆28億円を計上した。24年度中に閣議決定するエネルギー基本計画の改定案では脱炭素電源を最大限活用する方針が盛り込まれており、再生可能エネルギーや原発の供給力拡大への投資を加速させる。
再生エネ導入拡大に向けた支援事業では、次世代技術のペロブスカイト太陽電池や洋上風力の国内供給網構築に610億円、再生エネ活用に必要な蓄電池などの導入支援に150億円を投じる。ペロブスカイトは環境省も支援事業に50億円を計上。自治体や企業などが導入する際の費用の3分の2程度を補助する。
原発は、高温ガス炉と高速炉の実証炉の研究開発にそれぞれ436億円と393億円、革新軽水炉や小型軽水炉の開発支援には60億円投じるが、予算規模はいずれも24年度より増えた。
24年5月には「水素社会推進法」が成立し、今後15年で3兆円を投じられる予定。水素は生産や輸送コストが高く、25年度当初予算では液化天然ガス(LNG)など既存燃料と水素との価格差を埋める助成金として357億円を計上した。
環境省はサーキュラーエコノミー(循環経済)推進に向け、使用済み製品のリサイクル設備やバイオマスなど再生可能な資源を活用した素材の製造設備の導入支援に42億円を充てた。リサイクルを義務化する方針の太陽光パネルのほか、プラスチックや金属の再資源化体制を確保する。
発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)対策では、健康影響に関する研究などに2億円を計上。クマなど指定管理鳥獣の被害対策支援には2億円を盛り込んだ。【高田奈実、山口智】
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