セブン&アイHD決算 コンビニ専業化の方針も、国内外で減益
セブン&アイ・ホールディングス(HD)が9日発表した2024年3~11月期連結決算は、最終(当期)利益が前年同期比65%減の636億円だった。3~11月期として2年連続の減益。主力の海外コンビニ事業の苦戦が響いた。カナダの同業による買収提案を受けているセブン&アイは、企業価値向上のためコンビニ専業化を進める方針だが国内外とも減益となった。
売上高に当たる営業収益は6%増の9兆695億円、営業利益は23%減の3154億円だった。
国内コンビニ事業は、物価高下での顧客ニーズの把握に出遅れたが、9月から手ごろな価格帯の商品を拡充して1店舗当たりの客数、売上高がプラスに転じた。ただ、販売管理費が膨らみ、営業利益は8・1%減の1829億円だった。
海外コンビニ事業の営業利益は32・1%減の1569億円と大きく落ち込んだ。米国では長引くインフレ(物価上昇)の影響で消費者の購買意欲が減退した。
25年2月期の連結業績見通しは、売上高が3・5%増の11兆8790億円、最終利益は27・4%減の1630億円と据え置いた。
セブン&アイは昨年8月、カナダのアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたと公表。11月には買収への対抗策として創業家主導の自社買収(MBO)の提案を受けた。焦点は8兆円を超えるとされる買収資金の確保だ。
セブン&アイの丸山好道最高財務責任者(CFO)は9日に開いたオンライン決算説明会で、特別委員会で買収提案の検討を続けているとした上で「どの選択肢が企業価値・株主価値を最も高める可能性があるのかが一番の基準になると思うが、今の段階では評価すべき材料がまだ出そろっていない」との認識を示した。【加藤結花】
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