欧米関税交渉、焦点は「デジタル」 決裂なら米IT企業の課税強化も
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、米国のトランプ政権との関税を巡る交渉が失敗した場合、グーグルなどの米巨大IT企業のEU圏内での売り上げなどへの課税を検討する考えを示した。10日公開された英フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで明らかにした。一方でトランプ政権はEUの巨大IT規制が関税に近い存在だと指摘し、見直しを求めている。今後、欧米間の通商交渉で「デジタル」を巡る攻防が過熱しそうだ。
FTのインタビューでフォンデアライエン氏は、トランプ大統領が「相互関税」の上乗せ分の発動を停止した90日の間に「完全に偏りのない」合意を米国と目指すと意気込んだ。一方で交渉失敗時に備えて報復措置の検討も進めるとし、その中の候補として「デジタル広告収入への課税がありうる」と明言した。
米国の対EU貿易収支は、物品については2023年時点で1570億ユーロ(約25兆円)の赤字だが、デジタルを含むサービスについては巨大IT企業がけん引する形で1090億ユーロの黒字となっている。
EUの課税強化が現実になればグーグルや、フェイスブックを運営するメタなどにとって大きな打撃となる。ただ、規制強化をめぐってはEU内で濃淡があるのが実情だ。アイルランドは法人税を下げるなど米巨大IT企業の欧州拠点誘致を進めており、規制強化には反発が予想される。米国との対立激化を懸念する声も強く、本格検討時には、加盟国間で足並みが乱れる可能性もある。
デジタル分野は既に米欧の対立の火種になっている。EUが施行した巨大IT企業の自社優遇などを禁じた「デジタル市場法」では、違反すると世界での年間総売り上げの最大10%にも及ぶ巨額の制裁金を科される可能性がある。
これに対し、日本の公正取引委員会にあたる米連邦取引委員会(FTC)のファーガソン委員長は4月2日、「米企業への課税の一種に見えてきている」と、制裁金は事実上の貿易障壁だと反発している。
現時点で、EUは巨大IT規制の見直しには否定的だが、米国は今後も規制の見直しを迫るとみられ、関税回避に向けた交渉で焦点の一つになりそうだ。【ブリュッセル岡大介】
-
トランプ関税 スマホ除外が「追い風」 日経平均、一時700円高
週明け14日午前の東京株式市場の日経平均株価は反発して始まり、前週末終値に比べ一時700円以上値上がりし、節目の3万4000円台を回復した。米トランプ政権がス…経済 6時間前 毎日新聞
-
日経平均、反発 一時700円高、3万4000円台を回復
週明け14日午前の東京株式市場の日経平均株価は反発して始まり、前週末終値と比べた上げ幅は一時700円を超え、3万4000円台を回復した。経済 7時間前 毎日新聞
-
元乃木坂46中田花奈さん、投資を語る 「最悪ゼロになっても…」
「資産形成フェアin札幌~人生を豊かにするお金の話~」(北海道放送主催)が13日、札幌市内のホテルで開かれ、元乃木坂46メンバーの中田花奈さん(30)が「『バ…経済 11時間前 毎日新聞
-
「誤ったやり方を修正する小さな一歩」 相互関税スマホ除外で中国
中国商務省は13日、米国がスマートフォンなどを相互関税の適用除外としたことについて「米国側の一方的な相互関税の誤ったやり方を修正するための小さな一歩だと言える…経済 20時間前 毎日新聞
-
工場で廃棄の熱エネルギー→他工場で利活用 機械メーカーが実証実験
大手機械メーカーのIHI(東京都)は11日、工場で廃棄される熱エネルギーを回収し、他の工場で利活用する実証実験を報道陣に公開した。産業界でさらなる二酸化炭素(…経済 2025年4月13日 毎日新聞