「こんなに早起きを…」 備蓄米に1000人が列 名古屋のイオン

2025/06/02 15:23 

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 名古屋市熱田区の「イオン熱田店」で2日、随意契約で仕入れた政府備蓄米の先行販売が始まった。同店はこの日、5キロ(税込み2138円)、計4200袋を販売。店先には開店前から、割安な備蓄米を買い求める客ら約1000人が長い列を作った。

 午前8時に開店すると、来店客らは係員に誘導されながら入り口近くに設けられた備蓄米コーナーに移動。店員から順番に備蓄米が手渡されると、「良かった」と安堵(あんど)の声を漏らす人も多かった。備蓄米は1家族につき1袋限定で販売され、午前11時過ぎに完売した。

 午前6時前から並んだという名古屋市中区の主婦(75)は「2時間立ちっぱなしでつらかったが、食費を抑えるのが大変なので手に入り良かった」と胸をなで下ろした。

 テレビで販売を知り駆けつけたという同市瑞穂区の無職、宮沢寛さん(81)は「お米を買うためにこんなに早起きしたことはない。備蓄米がなくなった後の国の対応も気になる」と話した。

 3人の幼子を連れて来店した同市港区のパート、沢村穂乃花さん(26)は「お米が値上がりしたので、ここ最近の夕食はパスタ、焼きそば、うどん、そうめんのローテーションでした」と苦笑い。備蓄米の購入を終え、6歳の長女に「今日はご飯を炊いて、唐揚げにしようか」と声をかけていた。

 イオンは、政府が管理する備蓄米約2万トンを随意契約で調達。東京都品川区の店舗で1日、千葉、大阪の計2店舗でも2日から先行販売され、今月中旬ごろから他の店舗でも順次販売するという。

 イオンリテールの石河康明・中部カンパニー支社長は「今後も手に取りやすい価格で、安定供給を目指したい」と話した。【梶原遊、塚本紘平】

毎日新聞

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