年収の壁引き上げでどれくらい減税? 給与所得者の8割が手取り増
2026年度与党税制改正大綱が19日、決定した。
政府・与党は、所得税がかかり始める「年収の壁」については、現行の160万円から178万円に引き上げる。中間層まで引き上げることで、給与所得のある納税者の約8割の手取りが増える。2026年は年末調整で対応する。
現行160万円の課税水準は、最低限の生活費に課税しない基礎控除(58万円)に特例として37万円を上乗せした95万円と、会社員らの経費を差し引く給与所得控除(65万円)の合計になる。
今回の改正ではまず、直近2年間の物価上昇率に連動する形で、基礎控除と給与所得控除の最低保障額をそれぞれ4万円引き上げる。
そのうえで26、27年に限り、基礎控除を最大限受けられる層を現行の年収200万円以下から年収665万円以下の層に広げて一律104万円まで引き上げ、さらに給与所得控除の最低額も5万円上げることで、合計178万円になるように設計した。
与党が試算した基礎控除の減税額をみると、単身世帯は年収200万円で4000円の負担減となり、300万円と400万円ではそれぞれ8000円減る。年収500万円は2万7000円、600万円は3万6000円の減税で恩恵をより受けるが、665万円を超えると控除額が減るため、例えば800万円の場合、減税額は8000円と少なくなるなど、構造がいびつになった。
今回の改正で、税法上の規定で連動する住民税の給与所得控除の最低額(65万円)も4万円上がり、27、28年度分はさらに5万円引き上がる。【山下貴史】
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