条例による民泊「実質禁止」を容認 観光庁が6月中に通知へ
観光庁は17日、住宅地での民泊を実質的に禁止する条例の改正を容認する方針を明らかにした。月内にも自治体に通知する。民泊について、これまでは産業育成の観点から禁止は適切ではないとしてきたが、騒音などのトラブルが拡大していることを受け、方針転換した。
村田茂樹長官が同日の記者会見で明らかにした。法的拘束力がない「技術的助言」として通知することを検討している。
住宅地での民泊は、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行された2018年6月に解禁された。家主が自治体などに届け出れば、ホテルや旅館を営業できなかった住宅地でも年180日を上限に提供が可能になった。
民泊新法では、自治体が条例で営業区域や日数を制限できる。ただ、観光庁は営業日数上限を0日にして実質的に営業を禁じる「ゼロ日規制」が、適切な規制の下で民泊を発展させる法律の目的を「逸脱する」として認めていなかった。
全国の届け出住宅数は、民泊新法施行から約8年で4万745件(26年5月15日時点)に達した。国家戦略特区に指定された地域での「特区民泊」や旅館業法上の簡易宿所の一部を含めればさらに増える。
インバウンドも堅調だ。日本政府観光局が17日発表した5月の訪日外国人旅行者数(推計値)は前年同月比3・6%減の約356万人だった。1~5月の累計は前年同期比1・1%減の1793万6000人。中国の渡航自粛の影響があるものの、韓国や台湾などからの増加が補い、昨年よりやや少ない水準で推移している。
訪日客と民泊施設の増加に伴い、トラブルも増加した。例えば、東京都新宿区では騒音やごみなどに関する苦情が21年度に70件だったが、25年度は924件に急増。無許可営業も後を絶たず、ゼロ日規制容認などを求める自治体も増えていた。
政府は30年に訪日客6000万人を達成する目標を堅持している。観光庁はゼロ日規制容認のほか、騒音計や監視カメラなどの設置を条例で民泊業者に義務化できる通知も併せて出す方針だ。【中島昭浩】
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