“ラジオモンスター”オードリーの2024年 『ANN』と日向坂46…今年2度の東京ドームで…

2024/12/31 07:00 

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オードリー (C)ORICON NewS inc.

 「今の若林が何をすればいいのか、誰でもいいから頼むから教えてくれ」。2022年12月のオードリー・若林正恭は悩んでいた。星野源と“悩み”について語り合うトークバラエティー「LIGHTHOUSE」(Netflix)内で、明かされた若林の一行日記。それから、ちょうど2年が経った2024年12月。春日俊彰とともに、1年に2度も東京ドームに立った“ラジオモンスター”は、年の瀬まで最高にトゥースな活躍を見せた。

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■東京ドームで「ラジオやります」 トゥースとしかいいようがない景色

 2月18日に行われた、5万3000人のリスナーが集い、ライブビューイングと配信を含めると合計15万6707人が熱狂したイベント「オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム」。冒頭に挙げた若林の悩みは、この東京ドームライブをやるか否かということだった。ともに語り合う中で「3~4年覆っていた膜」から連れ出した星野による「おともだち」に乗せて幕開けした、前代未聞のドームライブ。若林はエミネムオマージュとみられるポーズでキメた後、このイベントに向けた体力作りのために使っていた“自転車”に乗って、風を切るようにドームの周りを1周。一方の春日俊彰は、映画『メジャーリーグ』のチャーリー・シーンを彷彿とさせる姿で登場するも、すぐさまその余韻を捨て去る“チャーリー・シーン卒業”で、ゆっくりと歩みを進めていった。

 2人がドームの中心に並ぶと、会場中に喜びが伝播していく。若林が「こんばんは、ラジオモンスターです!えー自転車で来ました。きょうは、ラジオやります」と宣言すると、春日もいつものように「東京ドーム、カスミン」とあいさつ。東京ドームを舞台にしながらも、あくまでいつも通りの“オープニングトーク”を行っていく様子は、なんとも不思議な感覚だった。それぞれのトークパートでは、若林が、体力作りの一環で行っていた自転車を生かして「Uber Eatsの配達員デビュー」を果たし、春日は思い出の町中華「長楽」のポークライスを、若林のために“完全再現”するなど、弾を込めてきたエピソードを披露した。

 春日メインの企画では、番組内で話題になっていた、春日が妻・クミさんの味玉トッピングをケチっている“因縁”から派生して「プロレスマッチ」へと展開。クミさんの親友・フワちゃんが、クミさんのくやしさを胸にリングに立ち、実況は飯田浩司アナ、解説は佐藤満春、クミさんが務め、リングアナは田中ケロが担当するという豪華布陣となった。

 若林がDJプレイを行うパートでは、番組内の名言を「ビタースウィートサンバ」に乗せて紹介する一幕が。2曲を終えて、「Orange」のDJプレイに入るかと思われたところで星野源がセンターステージにサプライズ登場を果たし「久しぶりだな、東京ドーム」。花道中央で近づいていった2人は「Orange」を歌唱した。会場の興奮も冷めやらぬ中、2人でのトークが行われた後、星野が「せっかく来たんで、もう1曲やりません(笑)?」と提案。星野が「この2人といえば、もう1曲あるんですよね?みなさん、立ちませんか?」と切り出すと、センターステージで「Pop Virus」のコラボを行った。MC.wakaのラップパートは、東京ドームバージョンにアレンジされており、スマートフォンの明かりが灯りだす、唯一無二の「LIGHTHOUSE」による空間が広がった。

 感動の余韻が残る中、いつもどおりに「死んでもやめんじゃねーぞ」のコーナーに。そのまま、エンディングトークになり、ラジオブースを模したトロッコでドームを回っていった。最後は、再び2人が登場し、圧巻の30分超にわたる漫才で大団円。若林が「配信、ライブビューイング、会場、みなさん最高のトゥースですよ。ありがたかったね。こうやって集まって、みなさんのおかげで舞台を作ってくれましたから。ちょっと言葉が見つからないくらい、そういう気持ちであふれていますよ。そうですね、何年後になるかわからないですけど、お互いトゥースだったら、またやろうよ」と呼びかけると、春日も「これはトゥースな話よ」と応じた。若林が「我々はいつも土曜深夜1時にしゃべり続けていくので、気が向いたらまた聞いてください。トゥースとしかいいようがない」と締めくくった。

■日向坂メンバーとの約束 ワクワクする活躍見せた1年に

 若林が悩みをつづった2022年12月から、2ヶ月時計の針を戻す。2022年10月放送のテレビ東京系『じゃないとオードリー』で、若林は日向坂46のメンバーにやさしく呼びかけていた。「みんなの(1回目の)東京ドームのライブ、ドキュメンタリー映画も見て、本当に、そんなことできるわけないとは思っているんだけど、オードリーで東京ドームでライブやりたいって思って、2人で決めたんですよ。だから今度は日向坂の背中を追うことになるけど、ドームでライブやる時は観に来てください。東京ドームで会おうや」。2年後の今年2月に有言実行して迎えた12月26日、オードリーの2人は『Happy Magical Tour 2024』ツアーファイナルで再び東京ドームに立った。

 ライブ本編が終了し、アンコールで『日向坂で会いましょう』とコラボしたホームラン王企画を実施。カラーボールを、ステージから客席にどれだけ打ち込めるかという企画で、メンバーだけで始めようとすると、春日がメインステージにせり上がりで登場し堂々の「トゥース!」。ファンも、ペンライトで会場をピンク色に染め上げて歓迎した。春日もホームラン王企画に参加する流れになり、春日にボールを投げる“ゲスト”もいることが明らかに。メンバーの一部には、日向坂46にゆかりのある元プロ野球選手のアレックス・ラミレス氏だと聞かされていたが、実はその正体は「ラミちゃん」ではなく「若ちゃん」こと若林だったのだ。

 若林は、2月の東京ドームライブと同じように自転車に乗ってさっそうと現れた。ファンだけではなくメンバーもどよめき、キャプテンの佐々木久美は、驚きと喜びで涙していた。若林は「おひさまたち、会いたかったよ!ラジオモンスターです!」と全力で自己紹介。ホームラン王企画では、春日にドロップキックを食らわせたり、『M-1グランプリ』で審査員を務めていたことにちなんで「このコーナーは98点です!」と採点するなど、大いに会場を盛り上げた。

 日向坂46との2年越しの“約束”を果たす4日前、若林は第20回目となる漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2024』で、初の審査員を務めていた。「初めて漫才に点数つけて見るんですけど。敗者復活で(M-1に出場した際には)現場に30分くらいしかいられなかったので、きょうは頭からいられてうれしいです。『M-1』に人生救ってもらったんで、一生懸命審査します」との言葉通り、真摯に自らの視点で審査を行っていった。バッテリィズには「小難しい漫才が増えてくる時代の中で、なんかワクワクするバカが現れたなと(笑)。日本を明るくしてくれそう」と賛辞を送りながら、ツッコミの寺家にも注目し「寺家さんが、漫才のリズムをキープする腕も確かだなと思いました」と評価するなど、若林だからこその視点も光った。

 昨年9月、東京ドームライブを控えた若林をインタビューした際、『オードリーANN』で5年前に日本武道館でのイベントを行った時のことを引き合いに、次のように語っていた。「5年前に武道館もやったし(山里亮太との)『明日のたりないふたり』もやって、大きなイベントが終わった後のポッカリ胸に穴が空く感じをそれぞれ味わってきて、その対処法もわかっているので、燃え尽きてしまうということはないかな。だから、ここで集大成という意識はなくて、特に相手が春日だとそういう気持ちにならないです(笑)」。

 その言葉通り、圧トゥー的な東京ドームライブでは、「コメディショー(ハイブリッドビューイング)のチケット販売数の最多記録」としてギネス世界記録に認定され、『第61回ギャラクシー賞』DJパーソナリティー賞にも輝くなど、大きなうねりを見せた。そこからさらに数々の弾を込めて、ニュースを振りまいてきた2024年のオードリー。審査員・若林がバッテリィズにかけた言葉を借りれば、まさに「ワクワクする」ような活躍を見せた今年を踏まえて、オードリーがまた来年以降、どんな景色を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。
ORICON NEWS

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