『SHOGUN 将軍』キーマンが語るヒットの要因、続編では「関ヶ原の戦いや大坂の陣を扱う予…
『SHOGUN 将軍』ディズニープラスで独占配信中(C)Courtesy of FX Networks
【動画】『SHOGUN 将軍』本予告映像
本作を製作したディズニー傘下のFXでオリジナル作品を統括するジョン・ランドグラフ氏(FXコンテンツ & FXプロダクションズ チェアマン)に、オンラインインタビューを行った。
■視聴者の変化と「本物」へのこだわり
動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」で独占配信中の『SHOGUN 将軍』は、1975年にジェームズ・クラベルが発表した小説を原作としている。
物語の舞台は戦国時代の日本。真田広之演じる、徳川家康にインスパイアされた武将・吉井虎永が、日本に漂着したイギリス人航海士と関わることで、戦乱の窮地をくぐり抜け、天下統一を目指していく。
主演の真田をはじめ、アンナ・サワイ、平岳大、浅野忠信、二階堂ふみなど、日本人キャラクターは日本の俳優が演じている。さらに、せりふの大半が日本語あるにも関わらず、米国のドラマで多くの賞を獲得するという画期的な出来事を生み出した。
この背景には、ハリウッドでの人種差別抗議運動を経て、多様性が求められる時代の変化も影響しているのではないだろうか?この問いに対し、ランドグラフ氏は次のように語った。
「本作が世界中で視聴された中で、特に若い世代に受け入れられたことが大きい。私自身、20代の息子が3人いるが、彼らは日本のアニメが好きで、吹き替えではなく字幕で視聴している。時代的にも、字幕で作品を見ることに視聴者が慣れてきており、日本の声優が作ったオリジナルのものを観たいという思いが強く、字幕への抵抗がなくなってきている。文化を正しく伝えるにはその土地の言語を使うのは当然のことだと考える。そのような時代的な風潮というのも助けになっていると思う」
ランドグラフ氏は「卓越したものを作る」という信念のもと、細部までこだわり抜いた日本文化の美しさを表現できる職人たちと仕事ができたことを「とても素晴らしいことだった」と振り返った。
主演の真田がプロデューサーも務め、俳優陣だけでなく、衣装、殺陣(たて)などのスタッフにも各分野の日本の専門家を起用できたこと、それによるリアルさの追求が世界的な高評価につながった。
続けて、「本作は日本の歴史的にも壮大な物語であり、架空ではあるものの、観る人の記憶に残る忘れられない物語だ。作中のキャラクターは架空だが、歴史上の実在の人物をベースにしている点も重要な要素となっている。また、人としてのジレンマや葛藤は誰もが抱えるものであり、本作はそれを特定の背景の中で表現している。人間としての経験や感情は普遍的なものであり、誰もが共感できるものなのだ」と、ランドグラフ氏。物語の良さがあってこそ、「本物へのこだわり」が輝く。
『SHOGUN 将軍』のヒットを受けて、ハリウッドは次なる映像化のための原作を探しているとも言われている。日本の物語が、ハリウッドを活性化させる可能性はあるのだろうか?
「息子を通じて、日本の漫画・アニメの素晴らしさを改めて認識した。しかし、難しいのは、すでに完成された最高のバージョンが存在しているということ。キャスト、ストーリー、描写すべてが完璧な作品を、同じレベルで作るのは容易ではない。ただし、日本の物語やキャラクターたちは、今後も重要なIP(知的財産)として世界で価値を持つと感じている」
ランドグラフ氏は、日本の物語の可能性を認めながらも、ハリウッドにおける映像化の難しさに、慎重な姿勢を示した。
■『SHOGUN 将軍』シーズン2&3の展開は?
『SHOGUN 将軍』はすでにシーズン2&3の製作が決定している。ランドグラフ氏は「皆さんがよく知る関ヶ原の戦いや、大坂の陣、江戸などを扱う予定。これらは私にとっても新しい物語であり、その壮大さにふさわしい作品に仕上げなければならない。ただ拝借するのではなく、正しく価値のあるものとして描くことが重要だ」と、意気込んでいた。
最後に、ランドグラフ氏は次世代のクリエイターに向けて、次のような言葉を贈った。
「安易にまとめられる物語に満足せず、より複雑で深みのある作品を目指してほしい。しっかりと時間を取り、意欲的に取り組み、個性のあるものを目指してほしい。私たちは素晴らしい物語を必要としている。それは私たちを豊かにしてくれるものの一つだ。伝える価値のあるものを、大胆かつ繊細に描いてほしい」。
『SHOGUN 将軍』の成功が、“何か”の大きな転換点となるのは間違いないだろう。そして、日本史の中でも人気のある時代をベースに、さらなる壮大な歴史ドラマへと広がっていくに違いにない続編への期待は高まるばかりだ。
■ジョン・ランドグラフ
ケーブルチャンネル「FX」のコンテンツ&プロダクションズのチェアマン。独創的で挑戦的なストーリーテリングを特徴とするFXのオリジナル作品の開発、制作、マーケティング、広報などFXブランドに関する全ての側面を統括している。
2004年1月にFXにエンターテインメント部門のプレジデントとして参加し、05年5月にはFXネットワークのプレジデント兼ゼネラルマネージャーに就任。13年6月にCEOに任命され、19年3月に現職に就任した。
ランドグラフ氏のリーダーシップの下、FXは視聴率、受賞歴、評価において過去最高を記録。2002年3月にドラマシリーズ『ザ・シールド 〜ルール無用の警察バッジ〜』を放送以来、FXは510のエミー賞にノミネートされ、99のエミー賞を受賞している。同氏が手がけた受賞歴のある作品には、『レスキュー・ミー NYの英雄たち』、『ジ・アメリカンズ』、『アメリカン・ホラー・ストーリー』、『ファーゴ』、『アメリカン・クライム・ストーリー』、『POSE/ポーズ』、『フュード/確執』、『アトランタ』、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』、『一流シェフのファミリーレストラン』、また『ようこそレクサムへ』などのドキュメンタリーシリーズもある。
FXに入る前は、1999年に共同設立したジャージー・テレビジョンのプレジデントを務めていた。1994年から99年にかけては、NBCのプライムタイムシリーズ部門の副社長として、『ザ・ホワイトハウス』、『プロファイラー/犯罪心理分析官』、『ブルック・シールズのハロー!スーザン』、『ER緊急救命室』、『フレンズ』などの作品の制作や開発にも携わっていた。
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