NUMO幹部ら謝罪 北方領土への核ごみ処分場「魅力的」発言巡り

2025/02/01 10:19 

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 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)処分場の文献調査の説明会で原子力発電環境整備機構(NUMO)などの幹部が不適切な発言をした問題で、NUMOと資源エネルギー庁は31日、北方領土返還要求運動原点の地・根室市で開いた説明会で改めて「不用意な発言だった」と陳謝した。

 冒頭、NUMOの植田昌俊理事は「北方領土への処分場建設の話があった際に、(発言者に)確認の意味で『一石三鳥四鳥』という言葉を発したが、本当に不用意な発言だった」と謝罪。その上で「NUMOとしては、北方領土に処分場を造りたいとか造っていくとか毛頭思ってはいない」とした。

 資源エネルギー庁の横手広樹・放射性廃棄物対策課長も「魅力的な提案だが簡単に実現するような話ではない、と話したが、『魅力的な』と表現したことは、元島民の思いを踏まえれば、大変配慮に欠けた軽率な発言だった」と釈明した。

 説明会に先立ち、2人は根室市の石垣雅敏市長を訪問して謝罪したといい、植田理事は「(市長から)元島民に寄り添っていない非常に不適切な発言で、断固として抗議する。今後、返還を考えている全国民に対し、しっかりと考えて発言するように、とお叱りを受けた」と明かした。

 千島歯舞諸島居住者連盟の角鹿泰司・根室支部長は記者団に対し「元島民が怒っていることは間違いない。納得がいかない人もいると思う。ロシアが反発することは間違いない。困ったもの」と話していた。【本間浩昭】

毎日新聞

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