予算審議が本格化 首相「野党の提案承る」 修正や各党賛否焦点

2025/01/31 20:03 

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 衆院予算委員会は31日、石破茂首相と全閣僚が出席する基本的質疑を行い、2025年度予算案の本格的な審議が始まった。立憲民主党は物価高対策や教育無償化などを拡充するために予算案の修正を要求。首相は「現時点で最もふさわしい、良い予算としてご提案している」としつつ、「皆様方のいろんな提案がある。議論を承りながらより良い方向を目指していきたい」と述べた。

 自民、公明両党が少数与党に転じ、予算成立には野党の協力が不可欠な状況だ。政府・与党内では野党側の主張を一定程度盛り込む修正が不可避との見方が強く、修正項目や野党各党の賛否が焦点となる。

 立憲の城井崇氏は、政府提出の予算案を修正し、学校給食費を無償化するよう求めた。首相は「実施していない地域の事情もある。効果検証を行い、最もふさわしい対応を考える」と述べたが、修正に応じるかどうかの言質は取らせなかった。

 ガソリン税に上乗せされている暫定税率についても、自公は2024年12月に国民民主党との3党で「廃止する」と合意しているが、首相は「具体的な実施方法は関係者間で協議するとなっており、合意の通りに誠実にやっていきたい」と従来の答弁にとどめた。

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏の参考人招致が30日の衆院予算委で賛成多数で議決されたことについては「国会の議決は尊重すべきだが、招致に慎重であるべきだという立場に変わりはない」と述べた。立憲の奥野総一郎氏は、松本氏に予算委へ出席を促すよう首相に求めたが、「『出なさい』などと言う立場にない」と応じなかった。

 また、選択的夫婦別姓制度の導入について首相は、自民保守派が唱える通称(旧姓)の使用拡大では「解決しない問題があるのは承知している」と語った上で「これがベストだというものはない。論点を整理し、解を生み出すことに政府も責任を持つ」と述べた。

 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の公文書改ざん問題を巡っては、大阪高裁が30日、不開示とした国の決定を取り消した。立憲の今井雅人氏は国が上告を断念するよう求めたが、首相は「人が1人亡くなったことは真摯(しんし)に受け止めなければならない。判決をよく精査したい」と述べるにとどめた。【高橋祐貴、内田帆ノ佳】

毎日新聞

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