カンボジア拠点詐欺「毎日会議で情報共有」 裁判で被告、実態明かす

2025/02/01 12:22 

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 カンボジアを拠点に日本国内の特殊詐欺に関与したとされるグループの一員で、詐欺罪に問われた住居不定、無職の長尾聡(45)と山名準(43)の両被告の初公判が31日、水戸地裁(山崎威裁判官)であった。2人は「間違いありません」と起訴内容を認めた。グループは一日の終わりにミーティングを開くなど、犯行の実態が明らかになった。

 検察側の冒頭陳述などによると、山名被告は2024年5月ごろ、カンボジアで特殊詐欺の仕事があるとインターネットで勧誘された。知人の長尾被告を誘い7月に入国。警察官などを名乗り日本国内の被害者に電話をかける「かけ子」などの役割を担っていた。

 電話でだますための「マニュアル」があり、一日の終わりにはグループで会議を開催。だませなかった要因などを情報共有し、被害者とのやり取りの録音を聞き改善点を話し合い、その結果をマニュアルに反映させていたという。

 拠点としていた雑居ビルの一室では、ホワイトボードにだまし取る「売り上げ目標」や実際にだまし取った金額が週や月単位で記載。グループのメンバーは日本円で月約15万~23万円の固定給が約束され、「成功報酬」も支払われていたという。

 起訴状によると、両被告は24年7~8月、富山県などに暮らす3人から計2059万円をだまし取ったとしている。【西夏生、斉藤瞳】

毎日新聞

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