Kis-My-Ft2、14年の歩みと進化を凝縮 記念日に届けた特別な夜と新たな始まり【ライ…

2025/08/11 04:00 

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『Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2025 MAGFACT』本編の模様

 6人組グループ・Kis-My-Ft2(藤ヶ谷太輔、玉森裕太、千賀健永、宮田俊哉、二階堂高嗣、横尾渉)が、2011年のCDデビューから14周年を迎えた8月10日、横浜アリーナで全国アリーナツアー『Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2025 MAGFACT』を開催した。5月21日に発売された11枚目のオリジナルアルバム『MAGFACT』を携え、全国8ヶ所24公演を回るツアーで、総動員数は24万9000人にのぼる。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】サンドウィッチマンも駆けつけたライブ本編の模様

 ツアーの演出やセットリストは二階堂が中心となって構成し、衣装は玉森が担当。アルバム収録曲を軸に、人気曲やデビュー前の楽曲も織り交ぜ、マッシュアップを含めて全32曲を披露した。『MAGFACT』は「MAGNET(マグネット)」と「FACT(事実)」を掛け合わせた造語で、「くっついて生まれた音楽」をテーマに、さまざまなアーティストやクリエイターとのコラボ楽曲を収録。

 そんな楽曲のコンセプトに沿ったステージ機構と二階堂渾身の演出で、2時間45分にわたって濃密なキスマイワールドを展開した。

 オープニングの幕が落ちると「Curtain call」でゴンドラに乗った6人がステージ上部から姿を現し、唯一無二の存在感を放つ。疾走感あふれる定番曲が並ぶ序盤、「FREEZE」ではハードなイントロが響き、男性ダンサー8人との迫力あるダンスで魅了。「Tonight」では炎が吹き上がり「FIRE BEAT」では全員がリフターで上昇。続く「Take Over」では炎の特効とともにステージに集結し、後半曲と計1300発の炎が打ち上がり、会場の熱量も冒頭から高まりっぱなし。

 続くブロックではアルバム曲を次々披露。「Glory days」(MAN WITH A MISSION・Kamikaze Boy提供)はLEDに月が映し出される中、狼をモチーフにした“オオカミダンス”を盛り込み、「Half Baked」(Nulbarich・JQ提供)は2人ずつ入れ替わりながらセンターステージでスタイリッシュなダンス。「Flamingo」ではマイクスタンドを使い、縦花道に並んで大人びたメロウな雰囲気を漂わせる。「ロリポップ」(Over Tone・GUCCHI提供)では女性マネキンのカメラから映した“女性視点”映像をモニターに映し出し、艶やかな世界観を描いた。

 一転、「お疲れ様です! feat.サンドウィッチマン」はイントロとともに明るい空気に包まれる。MVの中華料理店の世界観を再現した小道具を使った遊び心ある演出に観客の笑顔が広がるなか、なんとサンドウィッチマン(伊達みきお、富澤たけし)が観客に内緒で後方から登場。メンバーとハイタッチしながら現れると会場は大歓声に包まれた。

 MVでも披露したサビのダンスを8人で踊り、伊達が「Kis-My-Ft2、15年目突入おめでとう!」と祝福。「リハでミスしてニカ(二階堂)から説教されました」と笑う伊達に、二階堂は「本番は完璧でした!」と太鼓判を押す。それでも伊達が名残惜しそうにステージを離れず、富澤が「もういいだろ」と促すも、最後はショートコントまで見せるサービス精神で沸かせた。

 その後もアップテンポ曲でスタンドトロッコを使って観客の間を通り、「AAO」ではファンにマイクを向けてサビを合唱。「Who's gonna play?」はAIにメンバーの魅力を尋ねて作詞した新感覚の自己紹介ソング。「メロディ」はファンアンケートをもとに「応援ソングを歌ってほしい」という声に応えた楽曲で、温かいメッセージソングをしっとりと届けた。

 MCではデビュー記念日をファンと一緒に祝福。8月11日0時配信の新曲「A CHA CHA CHA」を初披露し、このパートのみ公式YouTubeで生配信。楽曲は「夏×大人×余裕×遊び」をテーマにした90年代Boom Bap HIPHOPベースのサマーチューンで、ムービングステージを使ったグルーヴ感満点のパフォーマンスも披露。記念日にふさわしく、ケーキを前に6人で自撮りする場面も微笑ましい。宮田は「15年目も俺たち止まらずに突っ走っていくからみんな、ついてきてね!」と力強く呼びかけた。

 ユニットコーナーでは、玉森&宮田の「SHINDO」が黒を基調に玉森はリムレスメガネ、宮田はうさみみ帽子で登場し、キャッチーな振り付け。2人の距離が近づくたび黄色い歓声が響く。藤ヶ谷&千賀&横尾の「Yummy, lovely night」は個性的なスーツとサングラスで「やめられない」「やめさせない」のコール&レスポンスとともに中毒性のある楽曲を披露していく。

 二階堂の冠番組『ニカゲーム』とコラボした特別企画では、英語を読むのが苦手な二階堂が、英単語をなんと読んだかを他の5人のメンバーと会場のお客さんとで協力して当てるミニゲームコーナーを実施した。

 この日のお題は「Debut」だが、もちろん読めない二階堂は、メンバーが出した「デブト」という想像を超える「デヴィット」と回答。その後、「Shake lt Up」で、キスマイの代名詞とも言えるローラースケートを履くと他のメンバーもローラースケートで登場し花道をさっそうと駆け抜けた。正解が「デビュー」だと知らされると「デビュー!? それはごめん、マジ凹むやつだ。ごめんなさい」と素直にショックを受けまくる愛らしさも垣間見せた。

 終盤は宮田主演アニメ『カードファイト!! ヴァンガード』OP曲「Meramera」、ライブスタッフ発案の「FIGHTERS」でクライマックスへ突入。ムービングステージが変形しながら会場をめぐり、アップテンポなマッシュアップで熱狂は最高潮に。

 本編ラストは「CHEAT」(大沢伸一提供)。レーザー照明で曲名を浮かび上がらせ、華やかな衣装にチェンジしたメンバーが各所から登場し、ファッションショーさながらのポージングを披露。花道をランウェイに見立てたモデルウォークで締めくくる構成で、オープニング映像とリンクした演出が物語性を際立たせる。最後は玉森のキュートな投げキスで本編が終了。記念日の熱気を残したまま幕を閉じた。

 メンバーカラー6色のペンライトが客席を彩る光景は、ファンが手動でも美しくブロックごとに会場をきらめかせる。それはキスマイとファンが築いてきた信頼の歴史そのもの。披露された楽曲の数々には、14年で磨きあげた実力とこだわりが凝縮されており、6人のさらなる進化を予感させる一夜となった。
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