トランプ次期米大統領は６日、日本製鉄によるＵＳスチール買収に関して「関税によってＵＳスチールの収益力と企業価値がはるかに高まるという今、なぜＵＳスチールを売却したがるのか？」と自らが運営するＳＮＳ（ネット交流サービス）に投稿した。トランプ政権発足後の保護主義的な関税引き上げでＵＳスチールは単独で再建できるとの考えで、従来の「買収反対」の立場を変えていないとみられる。

　トランプ氏はＳＮＳに「かつて世界で最も偉大な企業だったＵＳスチールが、再び偉大な企業になることができたらいいと思わないか？　すべては即座に実現する！」とも投稿した。

　トランプ氏は１２月上旬、「大統領として、この取引を阻止する」と投稿し、買収に反対する考えを明言していた。大統領選では、鉄鋼業など国際競争力を弱めた国内産業を守るため、全ての国に対し一律１０％の関税を課す考えを示している。【ワシントン大久保渉】