カナダ首相が辞意 総選挙前に支持率低迷 現職G7首脳で最長

2025/01/07 02:30 

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 カナダのジャスティン・トルドー首相(53)が6日、与党・自由党の党首を辞任し、首相を退くと発表した。年内に総選挙が迫る中で支持率が低迷し、党内からも辞任を求める声が公然と上がっていた。新党首が決まるまで首相にとどまる。9年超の在任期間は現職の主要7カ国(G7)首脳で最も長い。

 カナダは10月までに総選挙を実施する。物価上昇(インフレ)、移民の増加に伴う住宅危機、長期政権に対する有権者の「飽き」などを背景に、政権交代の機運が高まっている。

 トルドー氏は6日の記者会見で「党内抗争を繰り広げなければならないのであれば、私は次の選挙に向けて最良の選択肢ではない」と述べた。3月下旬まで議会を休会する考えも明らかにした。

 2024年12月には、米国のトランプ次期大統領が主張する関税への対応をめぐる意見の相違で、トルドー政権の要だったフリーランド副首相兼財務相が辞任。これを受けてトルドー氏への逆風はさらに強まり、カナダ公共放送CBCによると、世論調査の平均で自由党の支持率は20・1%に落ち込み、最大野党の保守党(44・2%)に大きく引き離されている。

 トルドー氏は、カナダの多文化主義の基礎を築いた名宰相ピエール・トルドー氏の長男。13年に中道左派・自由党の党首に就き、15年の総選挙で10年近く続いた保守党政権に大勝してカナダ史上2番目に若い43歳で首相に就任した。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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