デモ主導の米大学生保釈 判事「言論封殺を意図」とトランプ政権批判

2025/05/01 10:59 

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 米東部バーモント州の連邦地裁は4月30日、移民・税関捜査局(ICE)に拘束されていたコロンビア大の学生、モフセン・マダウィさん(34)の保釈を命じた。米メディアが報じた。

 マダウィさんはコロンビア大のパレスチナ学生連合の共同設立者の一人。トランプ政権は、親パレスチナ派のデモは「米国の外交政策目標を脅かす」などとし、マダウィさんや参加者らを次々拘束し、永住権やビザなどの滞在資格を剥奪して国外追放しようとしている。

 マダウィさんはイスラエルが占領するヨルダン川西岸の難民キャンプで生まれ育ったパレスチナ人。2014年に米国に移住し、永住権を持つ。4月14日に市民権の取得に向けた面接を受けるためにバーモント州にある連邦政府の移民局事務所を訪れた際、ICEに拘束されていた。

 米メディアによると、連邦地裁のクロフォード判事は、マダウィさんの拘束について「政府が言論を封殺する意図を持った、寒気を覚えるような行動を目撃した初めての事例ではない」と批判。1950年代に米国で吹き荒れた反共運動、マッカーシズムの「赤狩り」に例え、当時も移民法が言論を抑圧するために利用されたと指摘したという。

 マダウィさんは保釈された後、裁判所の外で支援者を前に「トランプ大統領とその内閣に。私はあなたたちを恐れていない」などと語った。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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