ロシア軍、侵攻範囲を新たに拡大か ウクライナは「偽情報」と否定

2025/06/09 09:50 

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 ロシア国防省は8日、現在攻勢を強めているウクライナ東部ドネツク州の西部州境に到達し、隣接する東部ドニプロペトロフスク州で進軍を続けていると発表した。事実であれば、割譲を求めるウクライナ東・南部4州からさらに侵攻の範囲を広げた可能性もある。

 一方、ウクライナ軍参謀本部の報道官は8日、ウクライナメディア「RBKウクライナ」の取材に、情報は現実と一致しておらず、ドネツク州で戦闘が続いていると主張。露国防省の発表は「偽情報だ」と否定した。

 両国による和平に向けた直接協議で、露側は4州からのウクライナ軍の完全撤退のほか、ウクライナの中立化や軍事力の制限などを求めており、強硬な姿勢を崩していない。露軍は「緩衝地帯」の設置名目でウクライナ北東部スムイ州でも進軍を続け、圧力をかけ続けている。

 メドベージェフ露安全保障会議副議長(前大統領)は8日、露国防省の発表を受け「交渉で戦争の現実を認めようとしない者は戦場で新たな現実を知ることになるだろう」と通信アプリに投稿し、威嚇した。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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