G7サミット閉幕 首脳宣言、初の見送り ウクライナでも声明出せず
カナダ西部カナナスキスで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)は17日(日本時間18日午前)、2日間の日程を終えて閉幕した。例年発表される首脳宣言のとりまとめは見送られ、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化や山火事への対応、人工知能(AI)の活用など6分野で個別の共同声明や行動計画に合意した。
G7としての共通目標や議論の成果を包括した首脳宣言が出ないサミットは、ロシアが参加していたG8時代の2002~07年を除けば初めてとなる。
トランプ米大統領が2期目の就任後初めて参加した今回のサミットは、発足50年の節目にあたる。カナダは日本・欧州とともに米国の孤立回避に努めたが、トランプ氏が中東情勢への対応を理由に途中で帰国するなどG7としての一体感を演出するには至らず、「G6プラス1」の構図を印象づける結果となった。
各国首脳が合意したその他の成果文書は、移民の密入国への対策、量子技術の活用、外国勢力による干渉への取り組みに関する内容で、いずれもトランプ氏の関心の高い分野だった。
また、開催国カナダのカーニー首相は議長総括を発表し、ウクライナに侵攻するロシアに対する圧力を「最大限」に高めるため、「経済制裁を含むあらゆる選択肢を追求する決意」を盛り込んだ。トランプ氏は対露制裁の強化には慎重な姿勢を崩しておらず、G7としての共同声明ではなく、議長の権限で出す総括でウクライナへの支持を強調した形だ。
カーニー氏は閉幕時の記者会見で、50年前に発足したG7の使命は「古い秩序を守ることではなく、新しい秩序を築くことだった」と指摘した。「今回のG7は、短期的な効率より長期的な強じんさを促進し、新たな協力の時代を構築するための第一歩となる」と述べた。トランプ氏の途中退席についても「例外的な状況だと理解している」と擁護した。
石破茂首相も閉幕に合わせて現地で記者会見に臨んだ。「自由と民主主義といった共通する価値を紐帯(ちゅうたい)としつつ、長きにわたって世界の平和と安定、繁栄に寄与してきた。G7の価値は明白だ」と強調。「協調、結束して、イスラエル及びイランの間の最近の情勢に関する首脳声明を発出し、さらに六つの分野で個別の首脳声明も発出できたことは大きな成果だった」と述べた。【バンフ(カナダ西部)八田浩輔、田所柳子】
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