ウクライナ、米国に支援継続を求める 民間人の犠牲増に懸念

2025/07/03 08:40 

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 米国がウクライナへの兵器供給を一部停止したとの報道を受け、ウクライナ外務省は2日、米国のギンケル駐ウクライナ臨時代理大使を召喚した。外務省の発表によると、ウクライナ側はロシアの侵攻に対抗するため、防空システムなどの供与を続けるよう要請した。

 米政治メディア「ポリティコ」などの報道によると、供給が停止された兵器には、防空システム「パトリオット」用のミサイルのほか、精密誘導弾やF16戦闘機に搭載するミサイルなどが含まれている。

 ウクライナ国防省によると、米国から兵器供給の一部停止に関する正式な通知は受けておらず、米側に詳細な説明を求めたという。

 ロシアは6月以降、ウクライナの都市部に対するミサイルや無人航空機(ドローン)による攻撃を強めている。

 ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」によると、パトリオットは特に「イスカンデル」など弾道ミサイルからの防衛で効果を発揮しているといい、供与の停止は打撃だ。ウクライナ北部キーウ州の防空を担当する高官は「民間人の多大な犠牲を招くだろう」と指摘した。

 米国からウクライナへの武器供与は、2月末にウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ米大統領の会談が決裂した後にも一時停止したことがある。当時は機密情報の共有が停止されたこともあり、ウクライナが越境攻撃するロシア西部クルスク州などで戦況の悪化を招いた。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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