安保理でガザ市制圧計画に非難相次ぐ イスラエル擁護の米国は孤立
国連安全保障理事会は10日、イスラエルがパレスチナ自治区のガザ市を制圧する計画を閣議承認したことを受け、緊急の公開会合を開いた。理事国からはイスラエルの決定を非難する意見が相次ぎ、会合を「非生産的」だと擁護する米国の孤立ぶりが際だった。
欧米の反応は明確に分かれた。開催を呼びかけた常任理事国の英国とフランス、非常任理事国のデンマーク、ギリシャ、スロベニアの欧州5カ国は会合に先立ち、イスラエル政府を非難し、撤回を求める共同声明を発表。「軍事作戦の拡大は、ガザのすべての民間人と残る人質の命を危険にさらし、さらに不必要な苦しみをもたらすだけだ」と指摘した。フランスは個別に「最も強い言葉で非難」した。
これに対し、米国のシェイ国連臨時代理大使は、この日の会合を「非生産的」だと主張。ガザで多くの民間人の命が失われていることは「悲劇」だとしつつ、「イスラエルは民間人への被害を抑え、人道上の必要に対応する多くの措置を講じてきた」と擁護し、「すべての責任は(イスラム組織)ハマスにある」と強調した。
パレスチナのマンスール国連大使は、「ガザの200万人もの人びとは、人間の理解を超えた耐えがたい苦痛に耐えている。今すぐ行動し、ジェノサイド(大量虐殺)を止める義務がある」と述べ、イスラエルの決定は「独立したパレスチナ国家の成立を阻止するためだ」と訴えた。
イスラエルの代表は「ガザを永久に占領する計画も意図もない」と正当化し、仏英などによるパレスチナ国家承認の動きが「ハマスとの合意を困難にし、平和の実現を遠ざけている」と主張した。
非常任理事国のアルジェリアとパキスタンは、事態悪化を防ぐための暫定措置や国連による経済制裁などにつながる国連憲章7章に触れ、安保理として強力な行動をとるべきだと迫った。ただ、拒否権を持つ米国が反対する限り、一致した対応をとることは現実的ではない。【ニューヨーク八田浩輔】
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