米メディアは８日、米司法省が東部ニューヨーク州のジェームズ司法長官と民主党のシフ上院議員に対する調査を開始したと報じた。両者は過去にトランプ大統領を厳しく追及しており、「政権の報復キャンペーン」と伝えている。

　報道によると、ジェームズ氏はトランプ氏の一族企業が資産価値を過大に申告して不当な利益を得たとして民事訴訟を起こし、トランプ氏の権利を侵害した疑いが持たれている。トランプ氏は４億５４００万ドル（約６７０億円）の支払いを命じた１審判決を不服として上訴中で、「政治的な魔女狩りだ」とジェームズ氏を非難していた。

　司法省はジェームズ氏とシフ氏をそれぞれ別の住宅ローンに絡む疑惑で調査しているとも報じられている。シフ氏は２０１６年の大統領選を巡るトランプ陣営とロシアの関係を調査した下院情報特別委の委員長を務めるなど、弾劾要求の急先鋒（せんぽう）の一人だった。

　トランプ氏は先月１５日、自身のソーシャルメディアでシフ氏が不正を働いていると主張し、「司法の裁きを受けるべきだ」と投稿していた。【ワシントン金寿英】