アゼルバイジャンとアルメニア、和平実現の宣言に署名 米国が仲介
旧ソ連のアゼルバイジャンとアルメニアの両首脳は8日、訪問先の米ワシントンで和平実現に向けた共同宣言に署名した。ホワイトハウスでの式典には仲介したトランプ米大統領も立ち会った。両国は係争地ナゴルノカラバフの領有権を巡り、約40年にわたって対立を続けてきたが、和平に向けて大きく前進した。
アゼルバイジャンとアルメニアの和平仲介には、ロシアも意欲を示していたが、両国との関係は冷え込んでいた。今回の共同宣言はロシアの関与なしで進められ、旧ソ連地域でのロシアの影響力低下が改めて浮き彫りになった。
式典でアゼルバイジャンのアリエフ大統領は「子供たちに明るく安全な未来を提供する。我々は新たな歴史を刻んでいる」と述べ、アルメニアのパシニャン首相は「我々は重大なマイルストーンに到達した。数十年にわたる紛争を終わらせ、新しい時代への道を開く」と語った。トランプ氏も「両国は全ての戦闘を永久に停止し、互いの主権と領土の一体性を尊重する」と強調した。
米政府高官によると、共同宣言では、地域の発展のための「ロードマップ」が示された。また米国は、アゼルバイジャン本土とアルメニアを挟んだ飛び地であるナヒチェワン自治共和国をつなぐ「国際的な平和と繁栄のトランプ回廊」の設置でも合意した。
回廊はアルメニア領内を通過するが、通過する物流に介入できないため、「主権侵害」としてアルメニアが拒否していた。しかし今回、容認に転じた。
両国の対立原因となったナゴルノカラバフを巡っては、1991年のソ連崩壊の過程でアルメニア系勢力が実効支配を確立し、その後アゼルバイジャンとの紛争が続いた。2023年9月にはアゼルバイジャンが大規模な軍事行動で支配権を奪い、10万人以上がアルメニアに避難した。
アルメニアは伝統的に親露国だったが、戦闘でロシアからの支援が得られなかったことに不満を募らせ、ロシア離れが進んでいた。昨年12月のアゼルバイジャン航空機墜落以降、アゼルバイジャンもロシアとの関係が急速に悪化。墜落は露軍の防空システムによる誤射の可能性が指摘されている。こうした中で、米国が和平の仲介を担った。
米国の保守系シンクタンク「ハドソン研究所」のシニアフェロー、ルーク・コフィー氏は英紙フィナンシャル・タイムズの取材に「(旧ソ連地域での)ロシアの地位低下が、米国が『ピースメーカー』となる機会を生むことになった」と指摘した。【モスクワ山衛守剛、ワシントン松井聡】
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