ネタニヤフ氏、会見でガザ市制圧計画を正当化 「ハマス拠点残る」

2025/08/11 07:51 

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 イスラエルのネタニヤフ首相は10日、パレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市の制圧計画の承認後、初めて記者会見を開いた。戦闘の拡大はさらなる犠牲者を増やすとして、各国から批判を受けているが「イスラム組織ハマスの残された拠点を制圧する必要がある。戦争を早期に終わらせる最善の方法だ」と述べ、戦闘拡大を正当化した。

 ネタニヤフ氏は「目的はガザを占領することではない」と述べ、できるだけ早く作戦を終わらせるとも述べた。ただ、ガザ市の100万人の住民を強制避難させるだけで数週間はかかるとみられており、その後、地上作戦に踏み切れば戦闘がさらに長期化する恐れがある。

 ネタニヤフ氏は、イスラエルが支援物資の搬入を制限したことで深刻化している飢餓についても言及し、「ハマスが支援物資を略奪していることに疑いがない」と主張した。ただ、ハマスが組織的に略奪したとの明確な根拠は示さず、飢餓を訴えるメディアの報道を「フェイクだ」と強弁した。

 一方、米ニュースサイト「アクシオス」によると、米国とカタールは、人質全員の解放と戦争終結を目指す包括的な停戦案を2週間以内に提示する予定だという。ただハマスの非武装化などを巡って、イスラエルとハマスの意見の隔たりは大きく、交渉の行方は見通せない。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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