トランプ米政権、コロンビア大統領らに制裁 麻薬活動助長と主張

2025/10/25 08:55 

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 トランプ米政権は24日、麻薬テロリストらの活動を助長しているとしてコロンビアのペトロ大統領らを制裁対象に指定した。一方、ペトロ氏は自身らは麻薬取引と闘ってきたとし「一歩も引かない」と反論。両国の対立はさらに激化しそうだ。

 米財務省によると、制裁対象はペトロ氏やその家族と親しい協力者。米国内の資産凍結などが科される。ベッセント財務長官は声明で「ペトロ大統領が政権を握って以来、コロンビアのコカイン生産量はここ数十年で最高水準に急増し、米国に流入して米国民を毒殺している」と主張。「麻薬カルテルの繁栄を容認し、その活動を阻止することを拒否した」などと批判した。

 ペトロ氏は24日、X(ツイッター)への投稿で、我々は麻薬取引と何十年間も闘ってきたとし、トランプ政権側の主張を否定。米国に対して「一歩も引かず、決してひざまずかない」と対抗する決意を表明した。

 両国の関係は、米国がカリブ海などで実施している「麻薬運搬船」攻撃をきっかけに緊張している。ヘグセス米国防長官は19日、米軍がコロンビアの左翼ゲリラ「民族解放軍」(ELN)とつながりのある「麻薬運搬船」を爆撃したと発表。ただ、具体的な根拠は示しておらず、ロイター通信によるとペトロ氏は爆撃された船はELNとは無関係だと反論した。

 また、トランプ大統領は同日、コロンビアが麻薬対策を怠っているとして資金援助を停止すると表明した。コロンビアは強く反発し、20日に駐米大使を召還した。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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