医療施設も閉鎖 途上国の女性の命はより危険に 米の国連機関脱退

2026/01/08 20:33 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米政権が66の国際枠組みや国連機関からの脱退を決めたことで、人道危機に直面する途上国への影響は深刻になりそうだ。

 国連機関は既に米国による対外援助の大幅削減で活動の縮小を余儀なくされており、さらなる打撃となる。

 脱退リストには国連人口基金(UNFPA)や国連女性機関(UNウィメン)といった、リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の擁護や女性への暴力撤廃などに取り組む機関も含まれている。

 UNFPAは、アフリカや中東など150カ国以上で子どもの健康や人口問題への支援を行ってきた。米ガットマッハー研究所によると、主要な支援国である米国からの拠出金は、妊娠・出産に伴う合併症で命を落とす可能性がある女性を年間3万4000人救うことができるという。

 しかし、UNFPAは2025年2月、第2次トランプ政権から約3億7700万ドル(590億円)の助成を打ち切られたとして、10カ国以上で事業を一時停止すると発表。この際、数千の医療施設が閉鎖に追い込まれるとしていた。米国の脱退で、途上国の女性の命が一層危険にさらされることになる。

 脱退リストには、アフリカ経済委員会(ECA)や西アジア経済社会委員会(ESCWA)など、地域の経済開発を促進してきた国連機関も入った。今後、各国の経済発展に支障をきたす恐れもある。【古川幸奈】

毎日新聞

国際

国際一覧>