イスラエル、テヘランの大統領府も爆撃 政府機関混乱狙いか

2026/03/04 10:40 

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 イスラエル軍は3日、イラン中部コムで、最高指導者を選出する政府機関「専門家会議」を標的に爆撃を行い、建物を破壊した。イスラエルメディアなどが報じた。

 殺害した最高指導者ハメネイ師の後継者選定手続きを妨害し、体制維持を困難にさせる狙いがあるとみられる。

 イスラエルメディアなどによると、攻撃当時、専門家会議の議員が次期指導者を決める投票のために集まっていたが、何人いたかは不明としている。一方、イランメディアはこの建物について、老朽化しており会議には使われていなかったと報じた。首都テヘランの専門家会議の建物も、2日夜に攻撃を受けたという。

 専門家会議は、選挙で選ばれたイスラム教シーア派の聖職者88人で構成される。

 ハメネイ師の殺害を受け、イランでは大統領ら3人で構成する臨時指導評議会が職務を代行している。専門家会議は近く後継者を選出するとみられるが、手続きが遅れる可能性もある。

 イスラエル軍は3日、テヘランの大統領府や最高安全保障委員会の庁舎も爆撃した。政府機関に混乱を引き起こす狙いとみられる。

 イランメディアによると、精鋭軍事組織・イラン革命防衛隊は3日、イラク北部のクルド人自治区で反体制派の拠点を無人機で破壊したと述べた。反体制派がイラン領内に侵入する計画を阻止したと主張している。

 イラン国内で大規模な反政府デモなどは伝えられていないが、紛争が長期化し、体制基盤が弱体化すれば、こうした動きが活発化する可能性もある。

 一方、米ニュースサイト「アクシオス」は3日、複数の関係者の話として、アラブ首長国連邦(UAE)がイランに対して軍事攻撃を検討していると報じた。米軍基地があるUAEに対し、イランは「報復」としてミサイル攻撃などを繰り返しており、UAEは「積極的な防御措置」としてミサイルや無人機の発射施設への攻撃を検討中という。

 だが、UAEが軍事行動に踏み出せば、ほかの湾岸諸国も追随する可能性もあり、紛争が拡大することになる。UAE外務省は3日、「防衛態勢を変えるとの決定はしていない」とする声明を出した。

 また、イスラエル軍は3日、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラからの攻撃を防ぐため、レバノン南部に地上部隊を展開したと発表した。これまでも国境付近の5カ所で駐留を続けていたが、さらに増強した形だ。これを受け、レバノン軍は国境沿いの一部から撤退した。

 ヒズボラは3日もイスラエル中部に向けてミサイルを発射した。【カイロ金子淳、エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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