イラン、ホルムズ海峡で「通航料」を検討か 運行再開には消極的

2026/03/21 11:01 

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 原油輸送の要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖しているイランの国会が、海峡を通過する船舶に「通航料」を課すことを検討している。イランメディアなどが21日までに伝えた。海峡封鎖による原油価格の高騰で混乱が広がる中、イランは国際社会や地域への影響力を強めたい考えだ。

 米イスラエル両国が2月28日に攻撃を開始して以降、イランはホルムズ海峡を事実上封鎖。米イスラエルやその同盟国が関係する船舶は「すべて正当な標的と見なされる」と主張し、複数の船舶を攻撃している。

 国連の国際海事機関(IMO)などによると、海峡の西側に広がるペルシャ湾では、約3200隻の船舶と約2万人の船員が足止めされている。海峡を通過する船舶数は戦闘前の1日あたり100~135隻から9割以上減少した。

 こうした中、イラン学生通信は19日、同国の国会議員の発言として、エネルギー輸送や食料供給に利用する国々に対し、「通航料と税金の支払いを義務付ける法案を議会が検討している」と伝えた。具体的な手段や導入時期の見通しについては不明だ。

 通航再開に向けた議論自体は停滞している模様だ。米ブルームバーグ通信は20日、イランの高官レベルと接触する関係者の話として、イスラエル軍によるエネルギー関連施設への攻撃やイラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長らの殺害が事態を悪化させていると指摘している。

 戦闘は21日で3週間を迎えた。米イスラエルによる激しい攻撃は続いており、イスラエル軍は20日、イランの首都テヘラン全域で「2度の大規模な空爆を実施した」と発表した。武器の生産拠点や弾道ミサイル発射台の保管施設を標的としたとしている。

 イランも強硬姿勢を強めている。新最高指導者モジタバ・ハメネイ師は20日、イラン暦の新年に合わせて書面で声明を発表し、国民の団結によって「敵に亀裂を生じさせている」と強調した。AP通信によると、同日にはイラン軍の報道官が「世界中の公園や観光地がイランの敵にとって安全ではない」と警告。中東域外でも攻撃対象となる可能性を示唆した。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、イランのこれまでの死者数は1444人。イスラエルの攻撃を受けるレバノンでも1001人が死亡した。

 イラン側の攻撃による死者は、米国が13人、イスラエルは18人に上る。湾岸諸国では、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートなど5カ国で計21人が犠牲になった。【カイロ松本紫帆】

毎日新聞

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