米アンソロピック、ミュトス級AIを一般公開 安全対策を強化

2026/06/10 09:07 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米新興企業アンソロピックは9日、最先端の人工知能(AI)モデル「クロード・フェイブル5」を新たに一般公開した。高すぎるシステムの弱点発見能力を理由に限定公開にとどまった「クロード・ミュトス」に匹敵する高性能AI。悪用リスクを踏まえ、特定の分野で回答を拒否する仕組みを導入することで安全性を確保したとしている。

 新モデルは、ソフトウエアエンジニアリングや科学研究など幅広い分野で「卓越したパフォーマンス」を提供するという。複雑で長いタスクほど他のAIより優れた成果を上げるのが特徴。創薬や遺伝子検査に基づくゲノム(全遺伝情報)研究でも効率化できたと説明した。

 同社は新モデルが「世界に多大な恩恵をもたらす可能性を秘めている」とする一方、悪用されれば深刻な被害が出るとの認識を示した。そこで、サイバーセキュリティー▽生物学・化学▽蒸留(既存の生成AIのデータを学習し、新たなモデルを生み出す手法)――に関する利用を検知した場合、フェイブルとしての回答を拒否する。サイバー攻撃や生物兵器の開発、AIの覇権を争う中国の技術盗用を防ぐ措置を講じた。

 アンソロピックは5月28日、ミュトス級の高性能AIを数週間以内に一般顧客向けに提供する方針を示していた。安全対策を強化できたため、2週間足らずでフェイブルの一般公開に至った。

 また、同社は9日、ミュトスの改良モデル「ミュトス5」の限定公開を始めると発表した。日本の3メガバンクや日立製作所が参画する、サイバー防御強化に向けたアンソロピックのプロジェクトに参加する計15カ国以上の約200社・組織に提供される見込みだ。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース