和平プロセス支援の比・ミンダナオ島 議会選に日本監視団を派遣

2026/09/11 18:27 

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 外務省は、フィリピン南部ミンダナオ島で14日に実施される議会選に選挙監視団を派遣する。選挙はミンダナオ島でのイスラム自治政府への正式移行に向けたもので、日本は円滑な実施を後押しする。半世紀近く紛争が続いたミンダナオ島で日本は長年、和平プロセスを支援してきた。今回の選挙が無事に終われば、日本が主導した和平のモデル事例となる。外務省は国際紛争の和平調停に取り組んでおり、具体的な成果で弾みをつけたい考えだ。

 議会選が行われるのは、ミンダナオ島西部の5州などからなるバンサモロ自治地域。今回のバンサモロ議会選を経て、大統領の任命で2019年に発足した暫定自治政府から、住民が選挙で選んだ議員を基礎とする議院内閣制の正式な自治政府に移行する。

 議会選の選挙運動期間は7月30日~9月12日で、14日に投票が行われる。外務省の選挙監視団約15人は13~15日に投票の状況などを確認する。日本は今回の議会選を和平プロセスの重要な節目と位置づけており、外務省幹部は「(和平交渉が加速し始めた)11年から約15年をかけ、信頼関係の醸成に努力してきた。選挙が無事に終われば日本の和平への取り組みがやっと結実する」と話す。

 フィリピンは人口の約8割をカトリック教徒が占める一方、イスラム教徒は約5%で、その多くがミンダナオ島など南部に暮らす。米国統治下の1912年に始まった入植政策で多数のキリスト教徒が流入。これに反発したイスラム教徒が60年代後半以降、分離独立運動を活発化させた。

 2011年に日本などの仲介により、アキノ大統領(当時)と反政府勢力「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)の議長が会談し、和平交渉が加速。14年にバンサモロ包括和平合意が署名された。

 日本は停戦を監視する国際停戦監視団に日本人を派遣し、和平交渉にオブザーバーとして参加するなどミンダナオ和平に深く関与してきた。06年からは政府開発援助(ODA)を活用した平和構築支援を本格化。議会制民主主義のセミナー開催や退役戦闘員への職業訓練、道路網や通信インフラの整備など多岐にわたる支援を行ってきた。日本政府関係者は「首都マニラと比べ、この地域はまだ低所得。開発の余地があることは間違いない」と支援継続の必要性を強調する。

 外務省は今年3月、国際紛争の和平調停に取り組む「国際和平調停ユニット」を新設。紛争の防止や早期収束、復旧・復興に幅広く関与するため、情報を集約し、対応を検討している。現在は和平に携わる職員の研修などを行っているという。

 部署新設後、日本の和平への積極関与に各国から期待の声が寄せられているという。ただ、和平には長い時間がかかり、実現は容易ではない。外務省幹部は「現地の要員らがかなり入り込んで活動しなければ、当該国や各勢力との人間関係は作れない」と難しさを語る。【野間口陽、田所柳子】

毎日新聞

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