年収の壁「123万円」明記 減収見込みは25年度6750億円

2024/12/27 21:31 

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 27日に閣議決定した政府税制改正大綱には、所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の123万円への引き上げが明記された。2025年分の所得から適用し、最低限の生活費に課税しない基礎控除(48万円)と、会社員らの経費を差し引く給与所得控除(55万円)をそれぞれ10万円ずつ増額する。

 また19~22歳の大学生の年代を扶養する親などが対象の特定扶養控除の年収要件も103万円から150万円に引き上げる。150万円を超えると親の控除額が段階的に縮小し、188万円超で控除がなくなる仕組みも導入する。

 引き上げに伴う減収見込みは、所得税(国税)で25年度が6750億円、26年度以降は5830億円とした。25年はシステム対応などの理由で給与から税金分を差し引く源泉徴収ではなく、年末調整で対応するため、25年1~3月分だけ減収幅が広がった。

 25年度の減収の内訳は、基礎控除の引き上げで6310億円、給与所得控除などで320億円、特定扶養控除で120億円とした。また、26年度から減税となる住民税(地方税)の減収幅は年間750億円を見込んだ。【杉山雄飛】

毎日新聞

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