高市首相選出へ最終調整 維新、「閣外協力」で詰めの協議

2025/10/18 18:59 

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 政策協議を進めている自民党と日本維新の会の両党は21日の首相指名選挙で、維新の与党入りに伴い、自民の高市早苗総裁を選出させる最終調整に入った。両党は政権の形態について、維新からも閣僚を出す「閣内協力」ではなく、当面は維新が閣僚を出さず、政策協定を結び与党として政権に参加する「閣外協力」とする方向で、詰めの協議を急いでいる。

 維新は、19日午後に大阪市内で常任役員会を開き、吉村洋文代表ら執行部が協議について報告する。執行部は役員会で一任を取り付けた上で20日の自民との最終的な協議に臨み、政権合意書への署名を目指す見通し。

 16日にあった両院議員総会では、閣内、閣外それぞれの意見があった。吉村氏は18日、朝日放送テレビの番組で、維新が掲げる政策の担当閣僚ポストを受けて覚悟を示すべきではないかと問われ「閣僚を出すのが覚悟なのか。政策実現が目的で、実現に何が有効かを考えたい」と述べ、閣内協力にこだわらない姿勢を示した。

 政策協議が合意に至れば、首相指名選挙で維新は、自民の高市氏に投票することになる。その後の政権への協力のあり方について自民は、より安定した政権運営を目指すため、維新から閣僚を出す閣内協力を求めている。

 両党の関係者によると、自民は複数の閣僚ポストを打診している。維新内は将来的な閣内協力を見据えつつ、協議での合意事項への対応を見定めるため「まずは閣外協力から」(維新幹部)という意見が強い。

 一方、両党は維新の遠藤敬国対委員長を首相補佐官に起用する調整に入った。関係者が18日、明らかにした。

 維新は、災害時の首都中枢機能のバックアップを担う「副首都構想」と社会保険料引き下げを含む「社会保障改革」に加え、「国会議員の定数1割削減」を協力への「絶対条件」としており、自民はいずれも受け入れる方針。定数削減について、吉村氏は衆院定数465のうち50人程度を対象とする考えを示している。自民側には「議員数の削減は選挙制度から考えないといけない」(中堅議員)との慎重意見もある。

 関係者によると、両党の協議では、維新が求める「2年間の食品の消費税率ゼロ」について継続協議とするほか、維新が廃止を求める企業・団体献金については、高市氏の総裁任期中に廃止するよう努力する案などが浮上しているという。【園部仁史、高橋祐貴、安部志帆子】

毎日新聞

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