高市首相の広告動画、再生回数1億回超に 公選法上は問題ない?
衆院選が後半戦を迎えるさなか、ユーチューブの自民党公式チャンネルに掲載されている1本の動画が1億回を超えて再生され、注目を集めている。
SNSでは、この動画がX(ツイッター)などの「おすすめ」に「自民党広報によるプロモーション」と広告表示されてアップされるとの指摘が相次いでいる。
こうした広告に問題はないのだろうか。
◇桁違いの再生回数
「未来は自らの手で切り開くもの。自民党はその先頭に立ちます。逃げません。ぶれません。決断します」
次第にピッチが速くなるドラムの音とともに、党総裁の高市早苗首相がほほえみながらアピールする。
わずか30秒のこの動画は衆院選公示前日の1月26日、自民の公式チャンネルに掲載された。選挙期間中に再生回数が急増し、4日時点で1億回を超えている。
ここ1カ月間に掲載された公式チャンネルの他の動画を確認すると、多いものでも再生回数は900万回ほどで、この動画は桁違いに多い。
多額の費用をかけた有料広告として流すことで、ユーチューブで他の動画を見ている最中にも広告として高市首相の動画が途中で挟み込まれるなどし、再生回数を飛躍的に伸ばしたとみられる。
◇金のかけすぎを防ぐため禁止に
公職選挙法では、選挙運動のためにインターネットの有料広告を出すことを禁じている。違反すると2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される。
2023年4月の東京都江東区長選では、初当選した新人候補が選挙期間中にネットの有料広告を出すなどし、執行猶予付きの有罪判決を受けている。
選挙運動のための有料ネット広告の禁止は、13年の公選法改正で選挙運動におけるネット利用が解禁されたのに伴って設けられた規定だ。
規定の背景を、総務省選挙課は「候補者の当選を目的とした選挙運動で有料のネット広告を認めると、選挙にかかる費用が増大し、結果として金のかかる選挙につながる恐れがある」と説明する。
◇「政治活動」であれば問題にならず
では衆院選の期間中、自らも候補者である政党の党首が党をPRする広告動画を出すのは問題ないのだろうか。
選挙課によると、政党については選挙期間中も「政治活動」のためならば有料ネット広告を出すことが公選法で認められている。特定の候補者の当選を目的とした「選挙運動」とは異なるため、問題はないとの説明だ。
両者の線引きをどう見極めるのか。
総務省は「個別の事案について公選法に沿っているかコメントする立場にない」とし、個別のケースについて問題があるかどうかを判断するのは警察などの捜査機関だとの認識を示す。
◇金のある政党が有利に
こうした有料広告動画を選挙期間中に流すことは自民に限ったことではなく、各党が力を入れていると専門家は指摘する。
選挙情報サイト「選挙ドットコム」を運営する「イチニ」(東京都渋谷区)の高畑卓社長によると、ユーチューブに広告を出す場合、再生1回につき2~5円の費用が発生するとされる。
高市首相の動画がすべて有料広告として再生されたと仮定すると数億円単位になる計算だ。
高畑社長は「規模の大きい国政政党なら、有料広告に数億円をつぎ込むのは珍しいことではない」と語る。
一方で、政治活動を名目にネット上の有料広告を選挙中に出すことが許されれば、金のある政党ほど有利になる恐れもある。
政治資金や選挙制度に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「建前上は政治活動といっても、有権者は選挙運動と受け止めるため、実質的には有料広告による選挙運動を認める結果になっている。現状ではお金がある政党が有利になり、不平等だ。政党交付金や企業献金も含め、規制のあり方を見直すべきだ」と話している。
高市首相の動画について、自民は取材に対し「他の政党と同様、我々も公選法に基づき適切な広告運用をしております」とコメントした。【岡田英、木村敦彦、小林慎】
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