国交省、財務省にも鉄道局長発言を釈明 北陸新幹線延伸巡り

2026/05/15 14:47 

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 北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪延伸の整備計画を巡り国土交通省の五十嵐徹人鉄道局長が日本維新の会に謝罪した問題で14日、国交省は財務省への釈明にも追われた。鉄道局長が整備計画の費用対効果を軽視する発言をしたため、財務省は鉄道局長の発言には事実誤認が含まれると指摘し、国民に対して整備プロセスの丁寧な説明を要求したという。

 ◇「費用便益比」巡る発言で陳謝

 五十嵐氏を巡っては、11日に東京都内であった会合で、整備計画の費用対効果を示す指標として、北陸新幹線の延伸で生じる利便性向上額を総費用で割った値である「費用便益比」(B/C)が注目されていることについて、「B/Cだけで決まるのだったら政治はいらない」などと発言したと一部で報道された。さらに「国土交通省から1ブロック離れた財務省とか役所の人に、だまされるようにB/Cをうなされるように言う人がいる」とも語ったとされる。

 費用便益比は、整備新幹線の「着工5条件」の一つで、国の定めで採算性の取れる「1」を上回ることが目安とされている。このため維新は14日、鉄道局長の発言は費用便益比を軽視しているなどとして、発言の撤回と謝罪を要求。鉄道局長はこれに応じて陳謝した。

 ◇「事実誤認がある」財務省困惑

 国交省などによると、財務省にも14日に担当者が出向き、鉄道局長の発言について経緯を説明。「ご迷惑をおかけした」とも述べた。

 財務省側は「そもそも着工5条件は国交省も含めて決めたもので守らなければならない」と指摘。「B/Cが高い方が優れているから、別のルートにしてほしいと言ったこともない」と説明したという。

 また国交省と財務省の間には外務省があり、道路2本を挟んでいるため、「財務省は国交省から見たら2ブロック目にある。発言内容には事実誤認が多分にある」と困惑したという。

 財務省は、4月の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、北海道新幹線の新函館北斗―札幌延伸の整備計画のB/Cが「1」を下回ったとの試算結果を示していた。

 国交省の評価基準に照らすと、「基本的に中止」に該当する水準だったため、他の整備新幹線の計画でも注目が集まっていた背景がある。【中津川甫】

毎日新聞

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