ホルムズ海峡「自衛隊派遣」の積極論浮上 政府内で慎重意見も
米イランの戦闘終結合意を受けて、ホルムズ海峡の航行の自由確保に向け、現地への自衛隊派遣を含めた日本の対応が焦点となる。政権幹部が「派遣隊員の募集」に言及するなど政権内には積極論が浮上する一方、戦闘が確実に沈静化するかを見極める必要があるとの慎重論もあり、高市政権内で検討が本格化している。
合意を受け、高市早苗首相は15日、訪問先のローマで記者団に「事態の収束に向けた大きな一歩で歓迎する。実際に(合意の)署名が行われ確実に実行されることが重要だ」と述べた。
トランプ米大統領は一時、日本や北大西洋条約機構(NATO)などにペルシャ湾での貢献を繰り返し要求。3月の日米首脳会談でも首相はその時点で自衛隊の中東派遣が難しいと説明したとされる。一方、原油輸送の要衝ホルムズ海峡には機雷が敷設された可能性があり、停戦合意が正式に締結されれば、世界的にも高い能力を持つ海上自衛隊の機雷掃海部隊派遣は選択肢となる。
政権幹部は「今から頭の体操をしなければいけない」と語り、19日の米イラン合意の署名内容を見極め、派遣の判断をする考えを示した。判断に備え「派遣する隊員の募集も始めるだろう」とも語った。
首相がフランス東部エビアンで15~17日に開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)でどこまで踏み込むかも焦点となる。別の政権幹部は「G7の枠組みの中で検討することになるだろう」と語った。
一方で、仮に停戦合意が破られた状況で、機雷掃海を実施すれば武力の行使に当たる可能性がある。外務省幹部は「暫定的な停戦では派遣の判断はできない。日本は格段に他国よりも基準が高い」と指摘。防衛省幹部も「まずは確実に機雷があり、商船が通れないという事実を確認する必要がある。もう少し様子を見ることになる」と語った。【田所柳子(ローマ)、野間口陽、高橋祐貴】
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