「なめてるのか」暴言で適応障害と主張 40代社員がヨギボーを提訴

2024/10/24 18:29 

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 大阪市のビーズソファ製造・販売「Yogibo(ヨギボー)」の男性社員が適応障害を発症したのは、会社の会長からのパワーハラスメントや長時間労働が原因だとして、会社側に計約1180万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。男性は休職中で「精神的に参り、身の危険を感じた」と訴えている。男性の代理人弁護士が24日、明らかにした。

 ヨギボーは伸縮性のある生地の中に細かなビーズが詰められたソファが人気。

 訴状などによると、40代の男性は英語が堪能で、主に海外販売の戦略を担当していた。取引先と会社幹部との間で通訳を担うことも多く、2023年9月に当時は社長だった会長の米国出張に同行した。

 会長は商談中などに「一言一句ノーミスで完璧に通訳することを約束しろ」と指示。ビジネス用語もあることから男性が難色を示すと、「お前なめてんのか」「俺を誰だと思ってるんだ」などと責め立てたという。

 体調を崩した男性が出張途中で帰国したいと伝えたところ、会長から「途中放棄は重罪」とメッセージが送られてきた。男性は帰国後に適応障害との診断を受け、この頃の時間外労働は1カ月間で約162時間に上ったという。

 男性が会社側に訴えると、「パワハラは確認されなかった」と回答があった。これに対し、男性側は会長のパワハラで体調を崩し、長時間労働を放置していた会社側に安全配慮義務違反があると主張している。24日に記者会見した男性は「素直に謝罪してほしい」と話した。

 会社は「パワハラの事実はないので訴訟で争っていきます。長時間労働については不正な勤怠情報の登録を確認しましたので、勤務データを精査しているところです」とのコメントを出した。【土田暁彦】

毎日新聞

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