東九州新幹線 2時間半短縮も 宮崎県が3ルートで整備試算公表

2024/11/28 14:00 

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 東九州新幹線の整備を目指す宮崎県は27日、検討する3ルートについて費用対効果などの試算を明らかにした。新幹線を導入した場合、宮崎―博多間の所要時間を最大約2時間半短縮できる一方、整備費用は最も安い試算で約1兆600億円となった。3ルートはいずれも効果が費用を上回るとしている。【下薗和仁】

 同日の県議会一般質問で、坂口博美県議(自民)の質問に重黒木清総合政策部長が答弁して試算を説明した。

 調査は県が民間業者に委託した。対象は(1)山陽新幹線小倉駅(北九州市)からJR日豊線に沿って大分、宮崎両市を通り、九州新幹線鹿児島中央駅まで結ぶ「日豊線ルート」(2)九州新幹線新八代駅(熊本県八代市)で分岐する「新八代ルート」(3)宮崎市から鹿児島中央駅に限定して先行着手するルート――の三つ。

 宮崎から要衝の博多まで向かおうとすると、現在は宮崎市から鹿児島中央駅まで在来線を利用し、そこから九州新幹線に乗るルートが想定される。その場合の所要時間は3時間51分だ。一方、試算では(1)1時間38分(2)1時間24分(3)2時間12分――となり、いずれも大幅な短縮となった。(2)の短縮効果は2時間27分に達する。

 整備費は(1)約3兆8100億円(2)約1兆5000億円(3)約1兆600億円との数字が示された。時間短縮など利用者らが受ける利益を事業費で割って算出した費用対効果(1を超えると利益が費用を上回る)は(1)と(2)が1・2、(3)は1・0で、いずれも1を上回るという。

 国は1973年、福岡市から鹿児島市までを大分、宮崎両市付近を経由して結ぶ「東九州新幹線」を基本計画路線に位置づけたが、大きな進展がないまま50年以上が経過している。

 河野俊嗣知事は「県として東九州新幹線の実現を目指す基本方針は変わらないが、新八代ルートは九州各都市をきめ細かに結ぶ新幹線ネットワークの形成につながり、九州全体に大きなメリットをもたらす。あらゆる可能性を将来につなげていくことは重要」と答弁した。

 県は2025年1月、調査結果を踏まえたシンポジウムを開く。

毎日新聞

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