絶滅一転、50年ぶり生息確認 愛知にアカハライモリ「渥美種族」

2025/01/07 12:23 

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 愛知教育大は、50年前に絶滅したとされていたアカハライモリの固有種族「渥美種族」が、愛知県豊橋市内で生息しているのを確認したと発表した。渥美種族は1970年代に絶滅したと考えられてきたが、2021年に市民から目撃情報が寄せられ、同大や市自然史博物館などの共同チームが確認作業を進めていた。

 同大によると、21年2月に市民から「古井戸の清掃中に偶然発見した」という情報提供があり、捜索を開始。23年4月以降、市内の耕作放棄地など2カ所で約200匹の渥美種族が生息しているのを確認した。

 アカハライモリは本州、四国、九州とその周辺の島に生息し、地域ごとに形態や行動、遺伝子などが異なる。東北▽関東▽渥美▽中間▽篠山▽広島――の6種類の地方種族が存在するとされる。

 渥美種族はオスに婚姻色(繁殖期に現れる体の色)が現れないなどの特徴がある。1974年を最後に確実な発見記録が途絶え、絶滅したと考えられてきた。愛知県レッドリストでは、野生で絶滅する危険性が極めて高い「絶滅危惧ⅠA類」に分類されている。また、県条例で指定希少野生生物に指定され、捕獲が禁止されている。

 愛知教育大の島田知彦准教授によると、哺乳類や鳥類であれば目につきやすく、ふんや足跡などから確認できるケースが多いが、イモリの場合は体長も小さく、水陸両方で生息する可能性があるため確認に困難を伴うという。島田准教授は「種の保全や繁殖のための方法を、自治体などと連携しながら探りたい」と話している。【梶原遊】

毎日新聞

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