けが明けの4番で仕事 巨人コーチが父の花巻東・古城 センバツ

2025/03/23 19:22 

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 ◇選抜高校野球2回戦(23日、甲子園)

 ◇○花巻東(岩手)6―3二松学舎大付(東京)●

 けがから復帰後にいきなり「4番」を託されるのは、期待の表れだろう。花巻東の古城大翔(だいと)が二回の今大会初打席で安打を放つと、三回に回ってきた第2打席の好機では先制点となる打点をマーク。見事に仕事を果たした。

 二回は先頭打者で打席に入り、追い込まれた後の4球目を捉えた。ノーステップ打法に切り替え、落ちる変化球に食らいついて中前にはじき返した。

 三回は、相手守備のミスに乗じて作った1死二、三塁の好機だった。「チームに迷惑をかけたので、絶対に走者を還したかった」と右打席に入ると、狙い球を細かく考えることはせず、積極的にバットを出すことに集中した。

 初球。木製バットで浮いた真っすぐをフルスイングした。高々と上がった打球は左翼手のグラブに収まったが、犠牲フライには十分な当たりだった。

 古城が木製バットを使い始めたのは、今年に入ってからだ。反発性能を抑えた新基準の低反発バットが導入され、佐々木洋監督に勧められたことがきっかけだった。佐々木監督は「芯にしっかり当たった時には打球が落ちてこない気がする」と言う。スイングスピードが速く、長打力のある選手には勧めており、その一人が古城だった。

 プロ野球・日本ハムや巨人でプレーし、今は巨人で内野守備走塁コーチを務める茂幸さんを父に持つ2年生。身長180センチ、体重94キロの体格から繰り出す鋭いスイングが魅力のスラッガーだ。佐々木監督からは「オーダーに名前があると安心感がある」と評される。

 昨夏の甲子園では、滋賀学園との初戦で1年生ながら4番を務め2安打をマークした。昨秋の東北大会でも4番を務めたが、3月上旬に右腕を痛めた影響で米子松蔭(鳥取)との1回戦は出場しなかった。

 偉大な先輩である米大リーグ・ドジャースの大谷翔平の打撃動画を参考に、強く打って遠くに飛ばす方法を追求してきた。大谷も務めた花巻東の4番。「相手から強く警戒される打者が4番を打ってきた。まだ及ばないが、もっと力をつけたい」。主軸を担う責任感をにじませた。【黒詰拓也】

毎日新聞

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