香川・安戸池で出世魚「ブリのぼり」 成長3段階3匹が風に舞う

2025/05/01 10:15 

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 世界で初めてハマチの養殖に成功した香川県東かがわ市引田の「安戸(あど)池」で「こいのぼり」ならぬ「ブリのぼり」が掲揚されている。ブリは成長に伴って呼び名が変わる出世魚。同県ではツバス、ハマチ、ブリの順に変化することにちなみ、出世3段階それぞれの形がプリントされた大中小の3匹が元気に風に舞っている。

 のぼりはそれぞれ、ツバス(小)は1・2メートル、ハマチ(中)は1・5メートル、ブリ(大)は2メートル。ブリのぼりの掲揚は、新型コロナウイルス禍で旅行自粛が広がった2021年、「遠出ができないなら地元に目を向けてほしい」と、同市が大型連休に合わせて始め、以降毎年実施している。

 同市戦略情報課によると、安戸池は播磨灘に面し、湾が砂州によって外海から隔てられた潟湖(せきこ)。1928年に地元の漁業者、野網和三郎がハマチの餌付けに成功し、ハマチ養殖が始まった。今では沖合のいけすで飼育された「ひけた鰤(ぶり)」が同市の特産にもなっている。安戸池の湖岸にある観光施設「ソルトレイクひけた」では、放流魚の海釣り、ハマチの餌やり体験ができ、レストランもある。

 掲揚は5月末までの予定。同課は「ブリのぼりをぜひ見に来ていただき、養殖の歴史にも思いをはせてもらえれば」と話している。【佐々木雅彦】

毎日新聞

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