火災でシステム停止の埼玉・白岡市役所 13日から主要業務を再開

2025/05/12 20:31 

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 埼玉県白岡市は12日、市役所の火災で停止していた基幹系システムが復旧したため、13日朝から住民サービスなどの主要業務を再開すると発表した。ただ、マイナンバーカード手続きなど一部業務はまだ再開できない可能性がある。

 再開するのは、2日時点の住民票や印鑑登録証明書の交付のほか、出生や死亡届の提出など。市民課によると、新しい住民情報を更新処理できるかどうかは11日夕の時点で確認中で、可能な業務の最新情報は市のホームページで確認してほしいとしている。

 市によると、10日夜、発電機を使って庁舎3階のサーバーを再起動させたところ、基幹系システムや庁内ネットワークを復旧することができた。一方、焼けた市庁舎は利用再開のめどがたたず、業務は当面、庁舎に隣接する市の2施設で行い、早期にプレハブ庁舎を建設する方針。

 11日には大野元裕知事が現場を視察し、報道陣にも市庁舎内部が初めて公開された。

 火元と見られる1階の税務課のほか、両隣の市民課と会計課は焼け落ちた状態で、天井の鉄骨がむき出しになっていた。床や焼け残った机、ロッカーの残骸の上には天井材などが折り重なり足の踏み場もなく、焼け焦げた匂いが漂っていた。

 1階中央部のロビーや向かい側の保険年金課などは延焼を免れていた。焼けた課とロビーを仕切る防火シャッターが作動したとみられる。吹き抜け構造の2階以上の執務室も防火シャッターが下りていたが、煙が入り込み、机の上など一面にベタベタとした黒いすすが積もっていた。

 大野知事は「大規模な火災だと分かった。完全な復旧には相当時間がかかると思われ、可能な支援をしていきたい」と話した。

 藤井栄一郎市長によると、鉄筋など庁舎の構造に火災の影響がないか調べるだけで2、3カ月かかる見込みで、庁舎の利用再開は見通せないという。【萩原佳孝】

毎日新聞

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