米中、関税115%引き下げで合意 中国側はさらなる撤廃要求の方針
米中両政府は12日、「トランプ関税」を巡る閣僚級協議後の共同声明で、双方が関税を暫定的に115%引き下げることで合意したと発表した。米国が中国からの全輸入品に課す追加関税率は30%に、中国が米国からの全輸入品に課す関税は10%にまでそれぞれ大幅に引き下げられる。14日までに実施する。
米中が互いに100%超の関税を掛け合う異常事態に陥ったが、両国が経済への悪影響を踏まえて大幅に歩み寄った。世界を揺さぶる米中貿易戦争は、いったん緩和に向かうことになりそうだ。
共同声明によると、米国は、4月2日に発表した中国に対する34%の「相互関税」のうち、24%分の発動を90日間停止。その後2度にわたり発動した計91%の上乗せ分は取り消す。合成麻薬フェンタニルへの対応が不十分として、相互関税前に発動した20%の制裁関税は維持する。25%の鉄鋼・アルミニウムなど分野別関税も継続する。
一方、中国も相互関税に対する34%の報復関税のうち24%分を90日間停止し、その後の追加の報復関税計91%分を取り消す。関税以外の対抗措置についても「停止、または廃止するための必要な措置をとる」とした。ただ、フェンタニルを理由とした20%の関税の報復措置である米国産の石炭や農産品に課す最大15%の関税は維持する。
また、米中が今後貿易問題を協議する枠組みを設置することでも一致。両国の閣僚や事務方が参加し協議を続ける方針を確認した。
米中貿易を巡り、第2次トランプ政権が2月以降中国に対し相互関税など計145%の追加関税を発動したのに対し、中国は125%の報復関税で対抗。事態が長引けば、中国経済の打撃となるだけでなく、米消費者が安価な中国製の日用品を入手できなくなるなど米国側にとっても痛手となる恐れがあった。
このため米中は閣僚級による初の協議を10~11日の2日間にわたってスイスで開催。米国からはベッセント財務長官とグリア通商代表部(USTR)代表、中国からは経済政策を統括する何立峰副首相らが参加した。ベッセント氏は12日の記者会見で、「米中両国ともにデカップリング(切り離し)は望んでいない」としたうえで「中国がより多くの米国製品に門戸を開くよう望む」と述べた。
中国国営新華社通信によると、何氏は協議終了後の会見で「会談は建設的で実質的な進展があった」と述べた。また中国商務省は「両国の生産者と消費者の期待、中国や世界の共同利益にかなうものだ」との報道官談話を発表。今後の協議で米国にさらなる関税の撤廃を求めていく方針も示した。【北京・松倉佑輔、ワシントン大久保渉】
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