日産、追加で1万人超の人員削減へ グループ全体の15%規模に

2025/05/12 18:56 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日産自動車が国内外で1万人超の人員削減を追加で実施する方針を固めたことが12日、明らかになった。現行の事業再生計画に盛り込んだ9000人と合わせて、グループ全体で約13万人に上る従業員数の約15%に相当する計2万人規模の削減となる。

 日産は、2025年3月期連結決算で生産設備の減損損失の計上などを主因に最終(当期)損益が最大7500億円の赤字となり、これまで過去最大だった00年3月期(6843億円の赤字)を上回るとの見通しを4月に公表していた。

 日産は、北米や中国での販売不振により、24年9月中間連結決算で最終利益が前年同期比9割減少。これを受けて11月、国内外9000人規模の人員削減や生産能力(年間500万台)の20%削減などを柱とする事業再生計画を発表した。

 ただ、抜本的な経営再建に向けては追加のリストラ策が不可欠だと判断したとみられる。イバン・エスピノーサ社長は4月1日の社長就任を控えた3月、報道陣の取材に「(事業再生計画の)追加の策を検討している」と述べ、合理化を加速する意向を示していた。

 今月9日には、北九州市に建設予定だった電気自動車(EV)向けの電池工場の計画を断念すると発表した。25年度中に着工し、28年度にも車両に搭載する計画だったが、経営不振により投資の見直しを余儀なくされていた。

 日産は13日に25年3月期決算や事業再生計画の進捗(しんちょく)状況を公表する。【鶴見泰寿】

毎日新聞

経済

経済一覧>

写真ニュース