群馬・桐生の生活保護費不適切対応 市職員7人処分 退職者は対象外

2025/05/13 13:28 

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 群馬県桐生市は12日、生活保護制度の不適切な運用の責任を取るとして、2012年から23年の間に市福祉課の課長と保護係長を務めた職員5人(いずれも50代)を減給1カ月(10分の1)の懲戒処分にしたと発表した。処分は在職中の職員が対象であり、すでに退職した元幹部職員は対象外となっている。

 市は12日の市議会教育民生委員会の協議会で、処分について報告。課長と保護係長を務めた5人のほか、23年度に2世帯の支給決定を怠ったうえ、生活保護費の受領簿の受領印を「受給者から預かった」とうその説明をして本人の同意なく押印したとして、30代のケースワーカー経験者を減給1カ月(10分の1)の処分にした。ケースワーカーを指導する立場にあった40代の査察指導員経験者も、戒告の処分とした。

 協議会では市議から、すでに退職した幹部職員の責任を問う声が上がった。しかし、市は地方公務員法の処分は現職職員が対象であることや、条例の規定で退職金の返納は「在職中に懲戒免職処分に該当する行為をした場合」などに限られることを理由に、退職者の処分や退職金の返納要求は行わない方針を示した。

 荒木恵司市長は処分について「生活保護制度利用者並びに相談者のみなさまに対して耐えがたい苦痛や不利益を与えてしまったこと、また市民の誇りを著しく傷つけてしまったことに対し、改めて心よりおわび申し上げます」とするコメントを発表した。【遠山和彦】

毎日新聞

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