茨城に国内最大級のイチゴ農園 3種栽培、11月に収穫開始
全国規模でコールドチェーン(低温物流)を展開する青果物の流通大手「ファーマインド」(本社・東京都千代田区)が今春、茨城県稲敷市の圏央道稲敷東インターチェンジ隣に約2ヘクタールの「栽培棟」を備えた大規模イチゴ農園(敷地面積8ヘクタール)を完成させた。2028年までに栽培棟をさらに増やす計画で、1事業者あたりの生産量は国内最大級となる見込みだ。完成時は社員10人に加え、現地雇用のパート従業員70~80人体制となる。
園を運営するのは、同社のグループ会社「ファーマ村いちご農園」。川島浩司社長(49)によると、イチゴ栽培に適した天候や土地であるのに加え、大消費地である首都圏に近く、成田空港まで車で約20分の立地が決め手となった。
20年8月に運営会社設立後、栃木県の実験農園で試験栽培や流通実験などを繰り返し、準備してきた。さまざまな品種を栽培した結果、最終的に「ロイヤルクイーン」「みくのか」「かおり野」の3種に厳選したという。一般的な品種との差別化が図れる希少種で、高値の取引が期待できるという。11月に収穫を始め、今季約160トンの出荷を見込む。
園には持続可能な農業に向けた仕掛けがさまざまに施されている。栽培棟の空間を有効活用するため、ハウスの上部から栽培棚を約4メートルのワイヤでつるし、上下に動かすリフティングシステムを採用。従来は通路に要した空間も活用できるため苗の数を1・8~2倍に増やせるという。
ハウスの室温や水やりを自動制御できるシステムなども導入。イチゴの苗底などを温める温水も太陽光集熱パネルなどを用いて作り、施設内の水も循環させて環境負荷の軽減を図る。
販路は国内にとどまらず、初年度から東南アジアや台湾、香港への輸出を想定。輸出国の基準にあわせた品質管理を徹底するため、エアシャワーなどを備えた専用ハウスを別に設け、輸出用にも対応する。
川島社長は大学の農学部を卒業後、青果物業界を経てファーマインドに入社。取引先である農家と長年関わる中、物流業界だけでは解決できない「深刻な青果物不足」に直面した。「農家の後継者不足がその要因だった。実情を知れば知るほど危機感を抱き、まず優先度の高いナシやリンゴ、イチゴなどから取り組むようになったのが、農業参入のきっかけだった」と振り返る。
農業は手間のわりに収入が少なく、「若い世代が担いづらい」とも言われる。だが川島社長は「従来と異なる手法を取り入れることで持続可能な産業にもなる。園がモデルを示したい。機能を分化することで将来的に、障害者も働ける『農福連携』の環境づくりにもつなげられる」と、イチゴ園から社会に一石を投じる。【鈴木美穂】
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