熱中症対策で高齢者宅を全戸訪問 東京・品川区 3万6000世帯

2025/05/17 06:15 

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 東京都品川区は16日、猛暑が予想される今夏、区内に住む75歳以上の高齢者宅を訪問し、スポーツドリンクなどを無償配布すると発表した。高齢者の熱中症対策と、見守り強化を兼ねた取り組みで、全国的にも珍しいという。

 区によると、対象となるのは75歳以上の後期高齢者がいる約3万6000世帯。区の委託を受けた事業者が7月下旬~9月中旬の間に2回訪問し、1回につき、スポーツドリンクと飲料水を計12本(500ミリリットル入りペットボトル)配達する。

 事業者は高齢者宅でエアコンが適切に使用されているかや、体調について聞き取り、タブレット端末に入力。区は集まった情報を元に、必要に応じて民生委員の見守りや在宅介護支援センターの支援などにつなげる。関連予算2億8300万円を盛り込んだ補正予算案を、27日に開かれる区議会臨時会に提出する。

 記者会見で森沢恭子区長は、物価高騰の影響で高齢者がエアコンの使用や水分補給を控える可能性に言及。「事業を通じて生活状況や体調に不安のある高齢者世帯を把握し、支援につなげたい」と話した。【白川徹】

毎日新聞

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